実家の庭の花壇の脇には、大きな物置が鎮座している。
オットの実家の裏庭には、きれいに3つ、並んでいた。
長い年月、暮らしていれば、いろいろモノは増えるし、
有効活用されているなら、何の問題もないのだが、
本当に必要なモノは、ほんの少しだったりして……。
そんなこともあって、
自分の家を建てる、となった時、
物置を置かなくてもすむようにしたかった。
できるだけ庭を広く、すっきりとしたかったのだ。
忘れがちな屋外用品の収納場所
家づくりのプランニングを進める際、収納は大きな問題だ。基本は、「使うところに、使うモノ」を収納できるスペースを確保することだが、忘れがちなのが屋外で使うモノの収納。庭掃除の道具やメンテナンス用品、ガーデニンググッズや車用品など、収納場所を決めておきたい細かなモノが結構あるのだ。しかし、家の中の収納プラン、ウォークインクロゼットや壁面収納、キッチンやリビングの収納など、頭を悩ませることも多く、外まわりの収納まで考えるのは難しいことも。「引っ越した後に、物置を買えばいいかな」というケースも多いのかもしれない。
最近では、モダンなデザインの物置やナチュラルな雰囲気のタイプも増えてきているし、ホームセンターだけでなくネットでも購入することができる。庭づくりと一緒にプランニングするのもひとつの方法だ。また、カーポートや門まわりのアイテムには、収納スペースを提案したものも。エクステリア計画の中で収納を含めて考えてもいいだろう。
階段下に屋外から使える収納スペース
カーポートの奥、室外機に並んで設けた屋外収納
だから、わが家の折り返し階段の下は、天井を高くとれる部分(2階に近い方)はトイレに、低い部分は外からドアを設けた収納スペースとなっているのだ。広さは1畳にも満たない本当に小さなものだが、使い勝手はマル。簡単な棚を置いて、庭掃除用の箒やチリトリ、脚立やデッキブラシ、車の洗剤や庭木の殺虫剤などを収納している。
動線や構造に配慮を
建物本体に屋外からの収納スペースを設けたい場合は、初期段階からの検討が大切だろう。建物の構造や性能、水仕舞いへの配慮も必要だし、何を収納するかによって設置位置も影響してくる。車の予備タイヤなどを収納するのであれば、カーポートとの動線にも工夫したい。わが家の場合は、カーポート、自転車置き場の奥にプランニングしたので行き来も楽。内部は断熱材をまわし、合板仕上げに。ただ、換気不足は否めないので、湿気はこもるしカビが生えることも。過酷な条件の中で、収納するモノには注意が必要だろう。
そして、わが家の収納には、笑えるポイントがひとつある。ドアを開けると、目の前は合板仕上げの壁なのだ。階段下の収納スペースの高さは120センチ程度。サイズのあう扉はなかなかないし、特注したら高くなる、ということで、一般的なサイズのものを取り付けることに。日々使用するのに全く支障はないが、泥棒が勝手口だと思って開けたら、頭をぶつけるにちがいない。
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