メンタルアロマの効果……心と身体からのSOSを見逃さないで
普段は好きな香りであっても、その日の気分や体調により、感じ方が変わることもあります(特に女性は月経周期により変化します。また妊娠中はとても香りに敏感になります)そこで、お好みのエッセンシャルオイルを香りのタイプ別に数種類はキープしておくことをおすすめします。
そんな方へ、心の不調を改善する効果の高いアロマテラピーをご紹介していきたいなと思います。
元気でバリバリ日々を過ごしていらっしゃる方にも、今のベストコンディションを維持し向上させるために、自己メンテナンスは欠かせません。アロマを積極的に使い、ONとOFFの切り替えの達人を目指したいものです。
今回は、どんなタイプの方にも役立つ「呼吸法」をご紹介していきます。呼吸法の実践に入る前に、手元に今、惹かれる香りの精油を1~2本ご用意くださいね。
ちなみに、呼吸を深め、落ち着きたい時におすすめの香りがフランキンセンス、パイン(松)です。これらのエッセンシャルオイルは、自分の中心軸を感じさせてくれるので、瞑想にも適しています。
呼吸から心身の状態を探ってみよう
呼吸は意識されずに行われるものだからこそ、呼吸の状態をみることで自分の心身の状態を知ることができます。例えば、瞬間的に強い恐怖を感じたとき、呼吸はほとんど止まっています。また、ストレスや緊張を感じているとき、私たちの呼吸は浅くて速いものとなる傾向があります。
姿勢と呼吸にも関係があります。猫背で姿勢が悪い方は、胸郭がつぶれた状態が慢性化し、呼吸時に上下に動く横隔膜の動きを妨げられるため、呼吸が浅くなる結果に。そして、過食傾向のある方 も呼吸が浅く、鎖骨や肋骨がカチカチになり苦しい状態です。その苦しさから逃れる方法を本能的に知っているのでしょう。食べ物の重みで肋骨がやや開き、息 がラクになりホッとするため、本当の解決にはいたらない誤摩化しを日々積み重ねてしまい、心身両面で悪循環に陥ってしまうこともあるのです。
このように身体への影響も大きいのですが、実は、浅い呼吸を繰り返していると、不安や緊張感もより高まるなどメンタル面へも影響を及ぼします。それだけではなく、頭の働きも鈍くなってしまいます。
逆の場合も考えてみましょう。バスルームで寛いでいるとき、アロマトリートメントを受けたり、ヨガなどでリラックスしているときに は、呼吸は深く規則正しくなり、心の状態もゆったりとしていることと思います。それは、呼吸器系と神経系が連動しているために生じることです。
この特徴を活かし、身体から心へのアプローチを考えると、なりたい心のコンディションに短い時間でもっていくことができます。ストレスや緊張を感じたとき には、心へのアプローチを考えながらエッセンシャルオイルを選び、それを用いながら呼吸法を行うことで、落ち着いている時の心の状態に近づけるのです。
なりたい気分に合わせてアロマの香りを選択
ブルガリアのダマスクローズから抽出されたローズオットーの香りを深く吸い込むと、幸福感が感じられます
~選択例~
・「今の自分がなんとなく嫌い」→自尊心を高めたり、自分を大切にしてもらいたいので、ローズ、サンダルウッド、ネロリを選択。これらの香りを選ぶ時は、ホホバオイルに希釈し、デコルテと鼻の下に香りを塗布しましょう。
・「対人関係をラクにしたい」→緊張を和らげ、楽観的になれればベストなので、オレンジスイート、メリッサを選択。
・「このところ鬱っぽい」→鬱っぽさや落ち込みを和らげたいときには、ベルガモット、ラベンダーがおすすめです。
フランキンセンスは、このような樹脂から抽出されます。樹脂を薫香しても良い香りがします。
ディフューザーがない場合、精油をコットンに数滴たらして、衣類のデコルテのあたりにクリップでとめておきましょう。
ここまでで、呼吸法に入る準備は万端です。次ページでは、深い呼吸による脳の活性化を体感して頂きます。
深い呼吸で脳を活性化
脳の中心的役割を果たす大脳は、右脳(イメージ脳)と左脳(理論脳)にわかれ、それぞれ感性、知性の働きをしています。鼻から吸う息は、脳の働きを高める 効果が期待できるのです。ただし、人の鼻呼吸は、右から主に、左から主にしているなど、個人差はあるものの偏っていることが多いのです。そこで、左右の鼻 の機能を高めてくれる片鼻呼吸は脳の働きを高める効果も期待できます。右の鼻から吸うと左脳(交感神経)が刺激されます。朝起きてすぐに元気を出したいときは、レモンやペパーミントの精油を用い、右の鼻からの呼吸をお試しください。
左の鼻から吸うと右脳(副交感神経)を刺激します。普段の生活で活発な左脳の動きをしずめ、右脳を刺激したいときにも◎。心を穏やかにしたい時、眠れない 夜には、ラベンダーやカモミールローマンの精油を用い、左の鼻からの呼吸をゆったりとしたリズムで行うと、落ちついた深い眠りにつけます。
片鼻呼吸法
はじめて呼吸法を行うときには、いつも過ごす空間の中でも落ち着ける場所を選んでください。慣れてくると、どこでも出来るようになります。
香りを感じながらはじめましょう。
1.右手の人差し指を眉間にあて(固定)、親指が右の小鼻、中指が左の小鼻を押さえます。
2.中指の力を緩め、左の鼻からゆっくり息を吐いていきます。息を吐ききったら、左の鼻から息を吸います。
3.中指で再び左の小鼻をふさぎ、今度は親指の力を緩め、右の鼻から息をゆっくりと吐いていきます。吐ききったところで、右の鼻で息を吸っていきます。
4.親指で再び右の小鼻をふさぎ、中指の力をゆるめ、左鼻からゆっくりと息を吐きます。左鼻から息を吸います。。
上記の呼吸を、エッセンシャルオイルの香りが細胞一つ一つにエネルギーを注いでいることをイメージし、深くゆっくりと繰り返します。吸う息に比べて、吐く息を長くし、3分程度を目安に行ってみてください。
呼吸法を終了した後は、軽くストレッチをして、体も目覚めさせましょう。脳に酸素が送られ、脳の働きもよくなり、集中力も高まります。1分間に感じ取れることも深くなったり、心にも余裕がもてるようになります。
ダイエット成功の秘訣は、ゴールをイメージすることから
1ヶ月後に○○さんと会う時に着て驚かせたい服、などのように、今よりサイズが小さめだけれど、これから着こなしたい服を部屋に飾っておくのも良い方法です。
まずは、スリムになってどんな自分になりたいのか、ゴールをビジュアル 化していきましょう。どんな香りの似合う人になりたいかを考えながら、なりたい自分 をあらわすエッセンシャルオイルを1本選んでみるのもよいでしょう。着たいお洋服があるならば、その洋服を部屋に飾っておきましょう。
生活習慣の中に、アロマ&呼吸法×姿勢をととのえる運動(ヨガ、ピラティスなど。DVDをみながらでもOK)をとりいれてみるのもおすすめできます。なぜかというと、しっかり食べていても太りにくい方は、姿勢が良く、骨盤のゆがみもヨガ等の体幹部を鍛える運動などで定期的にリセットしていることが多いため です。もちろん呼吸も深いため、取り込まれた酸素が食べたものを燃焼・消化し、食べても太りにくい身体になります。(燃焼を助ける酵素を併用するとアロ マ&呼吸法の効果がアップします)
バスタイムで1日の疲れをときほぐしましょう
ダイエットにも効果のあるグレープフルーツの香り。皮から圧搾法で抽出されます。柑橘系の精油は開封後半年で使い切りましょう。
バスルームに、お好みのバスソルト、マッサージのためのキャリアオイルを常備しておくと便利です。
呼吸を3回繰り返した後はマッサージタイムです。硬くなっている脂肪やセルライトは念入りに、心臓から遠い方から中心へ向かってもみほぐします(10分ほど)。入浴後はストレッチで身体を伸ばします。
初日から気になる部分は採寸し記録しておきます。これを3週間続けた後の測定結果を楽しみにしていてください。きっと、嬉しい変化が感じ取れると思います。
心の状態と神経系、内分泌系、免疫系は連動していて、心、体、魂は、全体でトータルなものです。日々、目的にマッチした心地よいアロマの香りが漂う中で呼吸法を行うことで、目標に近づけたり、マインドフルな状態にもなれるはず。
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