際立つフルーティーさ

バランタイン リミテッド

バランタイン リミテッド

プレミアムブレンデッドウイスキー「バランタイン リミテッド」が2月26日(火)に発売される。
700ml、43%、¥15,000で、1,500本(シリアルナンバー入り)という数量限定品。これまでスコットランドでもほとんど見かけることがなく、現在は世界免税市場限定で販売されている。一般市場においての販売は日本が世界で初となる。
「バランタイン リミテッド」の香味はとても新鮮だ。
洋梨の香を感じたと思えば、よりフルーティーなピーチのような香りがしなやかに重なってくる。極めてなめらかな香りだ。味わいもまたなめらかで、甘いパッションフルーツのような感覚に包まれる。香り味ともバランスがよく、心地よい余韻が長くつづき、愛する人を抱きしめる愉悦と陶酔に似た感覚をもたらす。
スタンダードのバランタイン17年と比べると、ひと味もふた味も異なる個性といえる。
バランタイン17年はスコッチのプレミアムブレンデッドらしい深く気品のある香りが特長だ。バニラや蜂蜜のクリーミーで甘美な感覚が香り立つ。そしてそこはかとないスモーキーさや潮の香りも複雑に絡み合っている。
イギリスはガーデニングが盛んだが、バランタイン17年の甘美さは野趣にあふれながら美しく調和している庭園美と、その庭園から摘み取った素朴ながら可憐で気高い花束を想い起こさせる。
一方、このバランタイン リミテッドは庭園という表現よりも百花繚乱の花園の世界、ファンタジーへと誘う。フルーティーさが際立っているせいか、スコットランドの庭園から南国の楽園へワープしてしまいそうな心地だ。

老若をブレンドするノンエイジの妙味

数々の名モルト蒸溜所の原酒をたっぷりと保有するバランタイン社ならではの製品といえるが、ただそれだけではない。
バランタインのチーフブレンダー、サンディ・ヒスロップ氏によれば、30年以上もの熟成をした重厚なモルトウイスキーと、とても若いグレーンウイスキーとのブレンドであるという。若いグレーンがオールドモルトを生き生きと輝かせているそうだ。ヒスロップ氏はこの輝き、煌めきを『スパークル』と表現する。
この話を聞いて、かつてサントリーの輿水精一チーフブレンダーがおっしゃっていた「長熟モルトと若いグレーンの組み合わせには妙味がある」という言葉を思い出した。
これはわたしの推察だが、30年といった年月を樽の中で過ごすと、香りは芳醇であっても味わいは老いて枯れてしまうのではなかろうか。香りに比べて味わいは淡白だったりする。そのギャップを10年くらいの若いグレーンがうまく補い、さらには重層感を生み、スパークルの世界まで高めているのだと思う。

バランタインに限らず、プレミアムブレンデッドの世界をもっともっと堪能していただきたい。香りの花束であり、庭園美である。
いまの季節ならば響12年。少量ながらブレンドされている「梅酒樽熟成モルトウイスキー」が独特の甘みを生んでいる。梅に鶯。わたしは日本的な苔むした小庭に一本静かに佇みながら見事に花を咲かせた梅の古木をイメージする。そして夏がくれば、響12年はトロピカルな香りの花束、南国の鮮やかな花々を想像させもする。
響17年は荘厳な日本の庭園美であり、また優美な華道の世界、華麗ながら見事なまでの緊張感あふれるバランスの生け花を想い描く。
プレミアムブレンデッドウイスキーは幽玄である。

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