オトナのためのプレミアム・ウイスキー

響17年

響17年/700ml・43%・¥10,000

サントリー・チーフブレンダー輿水精一氏と響17年、バランタイン17年といったプレミアム・ブレンデッドウイスキーについて話したことがある。そのとき輿水チーフがこう述べられたことが印象に残っている。
「17年ものブレンデッドの香味の凝縮感や複雑さは圧倒的で、長期熟成という時間の重さを感じないわけにはいきません。ブレンダーの技量だけでは乗り越えられない時の重みというものがあります」
そう謙虚に語られた。口中で花開く香りの多彩さとバランス感は圧倒的だとも述べられた。
いま、バーでのウイスキー・シーンは、シングルモルトウイスキーが主役だ。蒸溜所のつくりの姿勢や立地環境から生まれる香味がダイレクトに伝わってくる面白みがあり、バーテンダーもセールストークがしやすく、飲み手も通を気取りやすい。このわかりやすさが魅力だ。
だがあえてわたしは長期熟成のプレミアム・ブレンデッドウイスキーの深遠さを堪能して欲しいと思う。とくに40歳を超えた飲み手の方たちには、熟成感があり、まろやかでしなやかなブレンデッドで、穏やかにゆっくりと夜に溶けていくことをすすめる。
たしかにシングルモルトのような強い主張がなく、まろやか過ぎて物足りなさを感じる人もいるだろう。でも、毎夜グラスを傾けても飲み飽きない柔らかさは、年齢を重ねた飲み手のこころに優しく染みていく。強さを欲して飲むのではない。
まろやかさ、しなやかさの中に身をゆだねる、オトナの時間を創出できるのがプレミアム・ブレンデッドの香味品質の特長であり、熟成感、上質感である。

ブレンダーが創出した格調とバランス

バランタイン17年

バランタイン17年/700ml・43%・¥9,000(撮影/川田雅宏)

ブレンダーが心血を注いで創造した香味と高い品質をわかる飲み手は粋だ。流行(はやり)に惑わされることなく、しっかりとした自分の酔いの世界を欲しているオトナには、まずは響17年とバランタイン17年を飲み比べることをすすめる。ジャパニーズとスコッチの違いがよくわかる。
響17年は樽香というかウッディな感覚があり、花や果実のような甘いエステリーな華やかさに富んでいる。
バランタイン17年のほうは穀物様、モルティな感覚が強く、クリーミーな甘美さにそこはかとなくスモーキーさが潜んでいる。
響17年はサントリーらしいつくりで飲み方を選ばない。ストレートから水割り、ハイボールまでそれぞれに美味しい貌をもつ。バランタイン17年はちょっと加水したり、オン・ザ・ロックで氷がゆるゆると溶けはじめたときの甘美さがなんともいえない。

最初に一杯の満足感を得られる主張の強いシングルモルトを飲み、そして次にゆったりとプレミアム・ブレンデッドを味わいながら心身を癒す。そんな時間を愉しんでみてはどうだろう。
強いばかりじゃ疲れる。肉体的負担を和らげよう。ブレンダーが創出した格調ある上質な香味バランスを堪能しながら、自分もまーるく熟成するのだ。

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