超簡単アロマクレイパックの作り方と楽しみ方
超簡単アロマクレイパックの作り方と楽しみ方
古くなった皮膚の角質を取り除き、お肌をつるつるにしてくれるアロマクレイパック
夏は日焼けや汗による皮脂汚れがとても溜まりやすい季節です。そのため、秋を迎える今の季節は、夏の間に溜まった古い角質を肌を傷めずにオフするケアが欠かせません。古い角質が溜まったままでは、栄養たっぷりの美容液も肌に浸透しづらくなるからです。
そこでおすすめなのがアロマクレイパック! 天然のクレンジングともいわれるクレイ(=天然の粘土)を使って手作りできるこのパックは、クレイのミネラルによって肌本来の力を回復させつつ、傷めずに古い角質をオフしてくれます。精油の香りと薬理効果も加わり、市販品に負けない使い心地です。
今回はそんな「夏の疲れを癒す」アロマクレイパックの作り方と楽しみ方を紹介します。
アロマクレイパックとは?
「アロマクレイパック」とは、ミネラル分をたっぷり含んだ、スキンケア用に使える天然の粘土(=クレイ)を、フローラルウォーターなどで練ってペースト状にしたスキンケアパックのことです。これは初心者にとてもおすすめなアロマクラフト。作り方がとても簡単で、精油の滴数が少なくても効果を楽しむことができるからです。初心者の方は精油の配合にあまり迷わずアロマコスメづくりにチャレンジできます。
クレイは肌の鎮静、ミネラルバランスの調整、余分に溜まった古い角質層や脂分の除去、ニキビのケアに役立ちます。夏の紫外線で刺激を受けた肌をいたわりながら余分なものを洗い流してくれるので、とてもおすすめのアイテムです。
アロマクレイパックにおすすめな4種類のクレイ
クレイの種類と効果
作り方をお伝えする前に、材料の基本となるクレイの種類と効果について説明します。アロマクレイパック作りに使いやすいものを4種類選びました。クレイは種類が豊富で、効果や色、成分もそれぞれ異なります。肌に優しく保湿力に優れながら、余分な汚れや皮脂を吸着し取り除く効果を併せ持っていることが、クレイの最大の特徴!
色や産地で効果も変わってくるので、使いやすいクレイを4つピックアップしました。自分の目的にあったクレイを選び、オリジナルのアロマクレイパック作りを楽しんでください。
カオリン
初心者にとても使いやすいクレイです。敏感肌や乾燥肌の方にも使っていただけるなど、肌にやさしいのが特徴。炭酸ガス吸収し、変化してできたクレイなので血行促進にも役立ちます。デオドラント効果があるので、アロマコスメ作りではパックだけでなく、ベビーパウダーやデオドラントパウダー、歯磨き粉などの材料としても使われます。
色付きのクレイよりも肌にやさしく、3日に1回スクラブ代わりに使う時におすすめです。
モンモリオナイト
最も高品質といわれる南フランス「モンモリヨン地方産」のクレイであることが名前の由来です。色のついたクレイは、白いクレイよりも汚れの吸着力や分泌過多の皮脂を除去する作用に優れているので、ニキビ肌やオイリー肌、男性肌におすすめです。
吸着力にすぐれているので、背中や手足などボディーケアに向いています。顔のケアには週1~2回を目安に使用してください。毒素を取り除く効果に定評があります。
ホワイトクレイ
こちらはほぼカオリンと同じものです。産地が異なることでミネラル成分がカオリンよりも多く含まれ、色に若干の違いがあります。使い方もカオリンと同じ使い方ができます。こちらも併せて初心者向きのクレイなので、どのクレイを選ぶのか迷ってしまう方は、まず使ってみてください。
ガスール
水分を含ませると少しスパイシーさを感じさせる香り立ちが特徴のクレイ。こちらはモンモリオナイトなどの緑色のクレイよりもさらに汚れの吸着力に優れ、引き締め効果も期待できるので、ボディケアでの使用を中心におすすめしています。マグネシウムやミネラルの含有が多いことからヘアケア製品に使われることも多く、髪のしっとり感が期待できます。
アロマクレイパックの作り方
では、アロマクレイパックを作ってみましょう! あらかじめたくさん作って容器に詰めて保存してもOKですが、クレイは劣化が早いので使いたいときにその都度作って楽しむ方がおすすめ。そのため今回は、「材料1回分のレシピ」で紹介します。■材料と道具(1回使用分)
(材料)
・クレイ 大さじ2杯 (初心者にはカオリンがおすすめ)
・グリセリンまたは蜂蜜 小さじ1杯
・お好みの精油 2滴(今回のレシピは、ラベンダー1滴、ゼラニウム1滴)
・精製水またはローズウォーターなどの芳香蒸留水 5~10cc(小さじ1~2杯が目安)
(道具)
・計量スプーン
・クレイパックを混ぜる容器
・ゴムヘラ
※ゴムベラは、クレイをペースト状にするときも使うので、アロマクラフト専用の小さなものが好ましい
計量スプーンで、カオリンを容器へ適量入れる
少しずつ様子を見ながら、フローラルウォーターを注ぐことが大切!
滑らかなペースト状になれば出来上がり!
混ぜてペースト状にするだけの簡単な工程なので、気軽に取り組んでみましょう。クレイがダマにならないように、ちょっとずつ水分をぎながら様子を見て混ぜていくことがきれいに仕上がるポイントです。
おすすめの精油レシピと効果について
紫外線のダメージケアに役立ち、香りの相性もいいレシピです。アロマ講座でも人気の組み合わせなのでぜひ試してみてください!■夏の疲れを癒す精油のレシピ
・ラベンダー 1滴
・ゼラニウム 1滴
■ラベンダー(学名 Lavandula officinalis)
「アロマテラピー」という言葉は、フランス人のある博士が自ら研究中だったラベンダーの抽出液によって、自分の火傷がとてもきれいに治癒したことから研究を重ね、これを地元の新聞に公表したことがきっかけで生まれます。
この由来からも、日焼けなど、「火傷」に近い皮膚のトラブルやダメージケアに役立つ植物として知られていたことがわかると思います。細胞成長促進作用を持ち、皮膚を再生する作用に優れています。昔から「薬草」として名高いハーブなので、「美容」というよりは「薬用」としての皮膚トラブルの役割に効果を感じています。消炎、鎮静効果もあり、日焼けのみならず、赤く炎症を起こした皮膚を優しく鎮静してくれる効果にも優れているといわれています。
※禁忌事項:通経作用(月経を促す効果)があるため妊娠初期の方は使用を控えるほうがいいでしょう。血圧降下作用があるため、低血圧の方も注意が必要です。
■ローズゼラニウム(学名 Pelargonium graveolens roseum)
「シアバター入りアロマクリームの作り方」でも紹介したように、女性にはとても好まれる香りであり、フェイシャルケアにとても役立ちます。 今回のレシピでこの精油をピックアップしたのは、瘢痕形成作用を持っていることです。皮膚に傷がある場合、傷を形成し治癒に導くという効果があることから、ダメージを受けた肌を健康に戻す効果に役立つと考えました。ラベンダーとブレンドすることで、紫外線のダメージ受けた肌を元気にしてくれる効果が期待できるブレンドだと感じています。
※禁忌事項:ホルモン様作用があるため、妊娠4ヶ月までの方、ホルモン依存型の癌(卵巣癌、乳癌など)のある方は使用を控えるほうがいいでしょう。使用の頻度や濃度にもよりますので、使用の際は主治医にご確認下さい。人により、稀に皮膚炎を起こす場合があります。敏感肌、アレルギーのある方はパッチテストを行ってから使用することをおすすめします。
【参考文献】
『増改補訂 アロマテラピー事典』 著:パトリシア・デーヴィス 訳:高林林太郎 フレグランスジャーナル社刊 2004年、『アロマテラピーのための84の精油』 著:ワンダーセラー 訳:高林林太郎 フレグランスジャーナル社刊 2004年
アロマクレイパックの使い方と注意点
アロマクレイパックの効果を楽しんでいただくために、使い方のコツを説明します。ほんのちょっとのコツがポイントなので、ぜひ参考にしてください。
肌が隠れるくらいたっぷりと塗布してパックを楽しみましょう
洗顔後の水分は、必ずきれいに除去してください。アロマクレイパックの吸着が悪くなり効果が薄れます。1週間に1、2回を目安に行うといいでしょう。毎日行うと、多少肌に負担をかけます。小鼻のざらつきなどが気になった時は、ピンポイントでケアを行ってください。
おわりに
手作りアロマコスメは、料理と同じく自己責任で楽しむものです。安全にアロマコスメ作りを楽しんでいただくために、「アロマコスメの作り方・注意事項」の記事を最初に読んでいただくことをおすすめします。手作りアロマコスメの材料はナチュラルな素材であり、基本的に肌に優しいコスメに仕上がりますが、全ての方の肌に合うとは限りません。アレルギーのある方、敏感肌の方、トラブルが心配な方は、必ずパッチテストをしてから使用していただくことをお願いします。
手作りアロマクレイパックは、簡単に作れるにもかかわらず、市販品に負けない使い心地が嬉しいアロマコスメです。精油の香りと効果も楽しみながらアロマクレイパックをお楽しみくださいね。
作り置きする場合は、1週間以上の保存はおすすめしません。作ったものは蓋のあるクリーム容器などに入れて冷蔵庫で保存し、1週間以内に使い切ってください。
精油の効果効能に関しては、アロマテラピーを学ぶ上で必要な、学術上の知識を参考にアロマクレイパックに適していると思われる点を踏まえ紹介しています。それぞれの効果効能は治療を目的としたものではありません。精油の知識に関してご不明な点は、必ず身近で確認できるアロマセラピストや、ショップの店員、専門家に確認し安全にアロマコスメ作りを楽しんでください。
※パッチテストとは、腕の内側などにテストしたい材料を少し塗布して、赤くかぶれるなどの反応が出るかを確かめるテストです。精油1滴を、ティースプーン1杯くらいのお水で薄めて皮膚に塗布します。他の材料は、そのまま直接塗布してください。
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