「専用」は「共用」を兼ねる!
では次に、玄関・浴室・キッチンという生活の主要部分に焦点をあててみます。これらの空間が「共用」の場合と「専用」の場合では、どの程度リフォームに対する意識が違うかをご紹介していきます。「共用」と「専用」それぞれの割合を調べ、それぞれに20年間の変化と将来の希望についてお伺いしました。■玄関
現在、共用している世帯が46%・専用(二世帯別々の玄関)の世帯が51%となっています。ご覧のとおり、将来的にリフォームしたいという希望は、共用の世帯が高くなっています。
■浴室
現在、共用している世帯が39%・専用の世帯が59%となっていますが、専用から共用へのリフォーム希望はほとんどありません。逆に、共用から専用へのリフォーム希望は3割と高くなっていました。やはり、浴室についても玄関同様の傾向がみられます。
■キッチン
キッチンはもともと専用を持っている率が高く、約8割の世帯で各世帯メインのキッチンがありました。サブキッチン所有世帯も含めると、9割の世帯が専用のキッチンを使える状況となっています。
このような状況から、専用から共用へのリフォーム希望はほとんど見受けられず、専用(独立)キッチンへの支持が高いことがうかがえます。 以上のように、長い目でみれば共用より専用の方が不満がでにくい傾向が大きいといえます。これらの結果から「専用」は「共用」を兼ねるともいえるのではないでしょうか。
ご紹介してきましたとおり、リフォームをする理由は「内装や設備などの経年変化」など物理的な要因で生じるもの、「20年の間に生じる家族の変化」など住まい手の要因によるもの、「共用から専用への希望」のような、住んでいく間に生じる不満や不便を解消するためのもの、大きく3つの理由があるようです。
確かに、住宅の耐久年数が長くなれば長くなるほど、当然リフォームは必要となってきます。しかし「共用から専用への希望」によるリフォームは、設計当初の考え方次第では減らすことのできる要因です。物理的なスペース・資金など、様々な問題はありますが、初期設計の段階で「共用・専用」のどちらがよいかを判断する時には、これらの結果を是非、参考にして頂ければと思います。
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