「孫共育」をキーワードにした子育て二世帯「i_co_i」(イコイ)
親世帯にも孫が勉強する空間が必要
近居・隣居:親子両世帯の距離が車などで15分以内の別棟
分離同居:ひとつの建物内で夕食が別の場所の同居
融合同居:ひとつの建物内で夕食が同じ場所の同居
育児協力は近居-同居共通
「親にしてもらったことのある協力」を近居と同居で比べてみました【図1】。「子供の世話」は近居・同居に共通して多く、特に娘夫婦同居の近居では9割以上が挙げていました。近居と分離同居で差がつく同居ならではの協力は、「荷物受取り」「家の様子や風通し」といった留守番に関する項目で、同じ家に居る同居ならではの協力と言えます。融合同居のみに多い項目として食事、家事といった生活面の協力が挙げられます。
【図1】親にしてもらったことがある協力 ※クリックすると拡大します。
育児協力している率は近居-同居に共通して高い。分離同居では留守時の協力、融合同居では生活面の協力が加わる。
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査A(2009.3実施)の結果。子世帯回答
交流頻度が同居では毎日、近居は週1回
しかし、同じ「子供の世話」でも、その頻度には大きな差があるようです。近居と分離同居の交流頻度を比べると【図2】、子世帯→親世帯に毎日行く頻度(図上段の数字)は近居・隣居では25%なのに対し、分離同居では約8割あります。近居・隣居の場合は週1回以上では約6割に達しており、近居は週1回、同居が毎日の交流というイメージになります。【図2】親子世帯間の交流頻度 ※クリックすると拡大します。
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査A(2009.3実施)の結果。子世帯回答
親世帯→子世帯に行く頻度では、近居・隣居では子世帯→親世帯とあまり差が無く、息子夫婦同居、娘夫婦同居の差も小さいのですが、分離同居では息子夫婦同居の親は子世帯にあまり行かない傾向があり、毎日行く比率は娘夫婦同居の70%に対し、息子夫婦同居では36%に留まります。お嫁さんである子世帯妻への気遣いが良く現れた数字だと思います。
同居では日常的に祖父母と孫とが交流
毎日行き来して居れば、孫を世話をする機会も増えます。孫を日常的に世話する親世帯【図3】は、息子夫婦同居の場合、近居・隣居では9%に過ぎませんが、分離同居で39%、融合同居で72%になります。具体的な孫の世話の例から見ても、近居では孫の世話をするのは特別な「イベント」ですが、同居では「日常」生活の一部、と言えるものが多くなっています。【図3】孫の世話をする頻度 ※クリックすると拡大します。
孫を日常的に世話、という回答は近居より同居、分離同居より融合同居に多い。
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査C(2010.3実施)の結果。親世帯回答。
最も楽しい孫との関わり ※クリックすると拡大します
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査C(2010.3実施)の結果。親世帯回答。
同居の日常的な交流の影響は、しつけに対しても表れます【図4】。近居・隣居や分離同居では孫のしつけは子世帯主体との考え方が8割近くを占めるのに比べ、融合同居では「子世帯と共に」「親世帯が主体で」担うという意識が約6割に達しています。まさに孫を共に育てる「孫共育」を深く実践していると言えるでしょう。
【図4】孫のしつけに対するスタンス(調査C) ※クリックすると拡大します。
※二世帯同居における「孫共育」調査報告書:旭化成ホームズ(株)くらしノベーション研究所;2010.4発表 より、孫共育に関する調査C(2010.3実施)の結果。親世帯回答。
孫共育には、どんな効果があるのでしょうか。
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