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二世帯住宅で暮らす/上手な二世帯同居のコツ

上下分離型の二世帯住宅、内階段と外階段のどちらがよい?

1階は親世帯、2階は子世帯など、各世帯で上下階を分けて使う間取りにする場合、階段を家の中に設ける「内階段」、外に設ける「外階段」のどちらにするか悩まれる方が多いようです。今回はそれぞれのメリットや注意点について解説します。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
松本 吉彦

執筆者:松本 吉彦

二世帯住宅で暮らすガイド

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各世帯のプライバシーを守りやすくコンパクトにまとまる「上下分離」タイプ

二世帯住宅の間取りを考える際に重視したいのが、世帯ごとの居住スペースの組み合わせ方と、それに伴うプライバシーの確保です。

各世帯のプライバシーを守りやすい間取りとして、「1階は親世帯」「2階は子世帯」など世帯ごとに各階を使用する「上下分離タイプ」(横割り)と、建物を左右に分けて各世帯が1階と2階を使用する「連棟タイプ」(縦割り)の2つが挙げられます。
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二世帯の居住スペースの組み合わせ。単純に分けると「縦」か「横」かの2つ
 

このうち、階によって世帯を分ける「上下分離タイプ」は、主要な生活空間が1つのフロアにまとまるため、両世帯がフロアを広く活用した間取りにできるメリットや、上下それぞれの世帯が4面を外気に接しているので採光や通風もとりやすいという利点があります。
 

階段は建物の中と外、どちらに設ける?

そんな「上下分離タイプ」を選んだ場合、暮らし方を大きく左右するほど重要になってくるのが「階段」の位置です。具体的には、階段を中で共有する「内階段」型と、玄関を各階に設け、2階への階段を建物の外側に設ける「外階段」型の2つの間取りがあり、どちらにするかで迷う人が多いようです。
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階段の位置が家族の暮らし方にも影響する。
 

・「内階段」:玄関と階段を二世帯が共有する
・「外階段」:玄関を各階へ設け、二階への階段は建物の外側に設ける


それぞれの間取り例と併せて、「内階段」「外階段」のメリット・デメリットをご紹介しましょう。

■内階段のプラン例&メリット・デメリット

まずは内階段から見ていきましょう。実は最近の二世帯住宅の動向を見てみると、独立性を強く求めすぎず「共用二世帯」「融合二世帯」のパターンが増えている傾向にあり、階段もほとんど内階段という間取りの家が増えています。

<プラン例>
玄関と階段は共用にしていますが、1階は親世帯、2・3階を子世帯と分けることで、お互いのプライバシーを守れるプランです。玄関収納を広めに取ることで、二世帯分の靴を十分に収納できるようにしています。
 
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敷地を有効に使い、生活空間にゆとりを感じさせる工夫を凝らした二世帯プラン。アプローチと玄関は共用で「内階段」型だが、親世帯(1階)、子世帯(2・3階)の独立性はしっかりキープ。小さな子どものいる子世帯のために、周囲の視線を気にせず遊んだりくつろいだりできる屋上空間を設けている。
 

<メリット>
生活ゾーンを分けても交流がしやすく、帰宅時や外出時などの気配を感じやすいのが、内階段の大きなメリット。共働き家庭で親世帯に子どもを見てもらいたいのであれば、内階段の方が安心です。普段から各世帯でのコミュニケーションが多かったり、高齢の両親が心配だったりする場合にも、内階段が便利ですね。

間取り図のお宅を見てみると、玄関ホールの共用ゾーンからそれぞれの世帯へ行くことができるゾーニング計画により、行き来のしやすさを確保しつつ、お互いの独立性もしっかりと保たれています

また、どちらかといえば日常生活で負担の少ない1階に住む傾向が多い親世帯は、普段の暮らしや外出時に階段を上り下りする必要がなく、ワンフロアでの暮らしを実現することができるという利点も大きいです。

<デメリット>
気をつけたい点としては、水まわりを上下階できるだけ同じ位置に配さないと、就寝時などに排水音が気になる可能性があります。また、子世帯が早朝・深夜に出入りする生活スタイルの場合、2階に上がる階段の位置に配慮する必要があります。

■外階段のプラン例&メリット・デメリット

では、外階段の場合はどうでしょうか。

<プラン例>
階段は建物の外に設けて、親世帯・子世帯の生活ゾーンを上下でしっかりと分けたプランです。外構のドアと玄関アプローチも2つ設けることで、帰宅や外出はもちろん、お客様も気兼ねなくお招きできるようになります。
 
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「外階段」を設け、親世帯・子世帯の生活を上下で分けたプラン。日当たりのよい南面の好環境を活かし、1階の親世帯には大きく庭を確保。庭に面したデッキや縁側もあり、くつろぎの時間をゆったりと楽しめる。2階子世帯も南側ベランダ面に開口部を広くとり、家族が集うLDKを明るく開放的な空間にしている。
 

<メリット>
「外階段」型の最も大きなメリットとしては、玄関がそれぞれの世帯フロアにあることで、世帯ごとの独立性を高め、プライバシーを保てるという点があります。間取り図のお宅を見てもわかる通り、それぞれの世帯の独立性が確保されていますね。

生活スタイルが違う親世帯・子世帯では、それぞれに出かける時間や帰ってくる時間が違うもの。深夜や早朝でも、お互いに気兼ねすることなく出入りできるのはもちろん、来客が多い時も気をつかわなくて良いという利点もあります。

また、その独立性から、上階もしくは下階を賃貸として活用しやすいというメリットも見逃せません。建築当初は賃貸併用住宅として利用し、子どもが結婚したら二世帯で暮らしたり、将来的に親世帯が亡くなった後で賃貸に出したりと、様々な暮らし方に対応できます。

<デメリット>
玄関と階段が2つ必要になるので、その分のコストとスペースが必要になります。敷地の大きさや建蔽率の関係により実現が難しい場合もあるかもしれません。また、その独立性ゆえに世帯間の行き来がしづらく、普段の生活はもちろん緊急時でも一度外に出ないと互いの家に行き来できないため、面倒だと感じることがあるかもしれません。
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お互いの生活スタイルや希望、敷地の広さなどを考慮して、“どこを別々にして、どこを一緒にする”のかを検討したいもの。そのうえで外階段・内階段を選択しましょう。

いかがでしたか? 独立性を重視し、頻繁に行き来する予定がない場合、外階段でも不便はありませんが、親が高齢になり、なるべく近くにいたい状況や、孫が生まれてからコミュニケーションが増えた場合などは、その独立性が仇になるともいえます。

なお、外階段型でも内部で行き来をしたい場合は、外階段とそれぞれの玄関を主に使いつつ、内部にもう一つ階段を設置するという方法もあります。

「外階段」のみの二世帯住宅の場合、以前は土地の相続税評価額が80%減額される「小規模宅地等の特例」を適用できず相続の際のデメリットとなっていましたが、平成26年以降は税制改正により、外階段のみでも「小規模宅地等の特例」が適当されるようになっています。したがって、今では相続税を気にすることなく、希望に合わせて内階段・外階段を選ぶことができます。
 

イマドキ二世帯は「内階段」派の傾向

二世帯の間取りは、これまで“生活ゾーンをしっかりと分けたい”という要望から「外階段」のプランを選択するケースが多くみられました。しかし、先ほどご紹介したように、最近は内部で行き来できるようにしたいというニーズが高く、「内階段」を選択するケースが増えています。
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家族間のコミュニケーションや行き来の頻度に応じて階段の位置を検討しよう。
 

イマドキの親世帯・子世帯は、互いにほどよい距離感で暮らす術を持っている方が多いため、「内階段」の間取りを選び、玄関や階段だけでなく、浴室や食事空間も共有する間取りで上手に暮らしているご家族が多くみられます。

プライバシーの確保は大事ですが、“そのためには絶対に外階段が必要”と思い込むことは避け、“共有できるところはして、分ける必要があるところは分ける”という柔軟な考えでのプランニングをおすすめします。

もちろん、どんな二世帯住宅が良いかは、それぞれの家族によって違うもの。各世帯のライフスタイルや、プライバシーをどの程度確保したいかといった希望に合わせて、内階段・外階段を選ぶのがベストです。

二世帯住宅の経験が豊富なハウスメーカーや設計士とよく相談しながら、お互いの家庭がストレスを感じず、それぞれにとってちょうどよい“安心感”を得られるような家を建てましょう。

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