専業主婦の家庭より共働き家庭のほうが多い?

DEWKS(デュークス)という言葉をご存知でしょうか。「Double Employed With Kids」の略で、子どものいる共働き夫婦を指します。共働きの家庭が専業主婦の家庭数を上回ったのは、1990年代後半のことです。つまり、今や共働きの家庭は、一般的な家庭のスタイルだとも言えるわけです。旭化成ホームズでは、1980年に「二世帯住宅研究所」を設立、1989年に「共働き家族研究所」を設立し、親・子世帯ともに暮らしやすい二世帯住宅や、共働き子育て夫婦が快適に過ごせる家づくりを研究してきました。

両研究所による研究で判明したことのひとつが「共働き夫婦の子育てライフを楽しく快適にするには、二世帯住宅が効果的」ということでした。それはどうしてなのでしょうか? まずは、イマドキの共働き子育て夫婦の実態から見ていきましょう。

共働き子育て夫婦はこんな問題や不安を抱えている

共働き夫婦は、家事を効率的にすませ、子どもと過ごす時間をゆっくりとりたいという気持ちをもっています

共働き夫婦は、家事を効率的にすませ、子どもと過ごす時間をゆっくりとりたいという気持ちをもっています

共働き子育て夫婦は、夫も妻も仕事を持ち、育児や家事に忙しい毎日を送っています。
日々、何とかやりくりしていますが、「子どもが急に熱を出してお迎えが必要になった」「帰宅が遅くなった時に買い物や食事作りをどうしよう」といったことはだれもが経験したことがありますよね。

また、学校から帰宅した子どものことも心配しています。防犯面から考えると長時間一人にしておくのは不安ですし、勉強や習い事など教育面も含め、子どもの世話をどうするかは大きな関心事でしょう。

仕事を持つ妻の多くは、「緊急時の対応など、子育てや家事に対する心配を減らしたい」と考えています。そして、限られた時間の中で、いかに「子どもとの時間」を捻出するかを気にしており、「もう少し時間にゆとりがもてたら…」と感じています。

そんな共働き子育て夫婦におすすめなのが二世帯住宅です。二世帯住宅が時間的にも、精神的にもゆとりをもたらすということが研究からわかってきました。

二世帯住宅に暮らす子どものいる共働き子世帯にとって、同居する親世帯が心強い存在となっているようです

二世帯住宅に暮らす子どものいる共働き子世帯にとって、同居する親世帯が心強い存在となっているようです


二世帯住宅の子世帯妻は就業率が高い

なぜ、共働き子育て夫婦にとって、二世帯住宅がおすすめなのでしょうか。これはずばり、親世帯が大きな力になるからです。「仕事・育児・家事で忙しいけれども、どれもきちんとしたい」とがんばっている共働き子育て夫婦ほど、親の力を必要としています。子どもの健やかな成長を考えたとき、見守る大人が多く、自分の親に自分の子どもを見てもらえる二世帯住宅は安心感があるのです。

二世帯住宅の妻のほうが単世帯住宅の妻より就業率が高いのも、二世帯住宅が共働き家族にとって暮らしやすいことを示しているのではないでしょうか

二世帯住宅の妻のほうが単世帯住宅の妻より就業率が高いのも、二世帯住宅が共働き家族にとって暮らしやすいことを示しているのではないでしょうか

親が孫の面倒を見る比率が高くなると、子世帯の妻の就業率が高くなります。このことは、二世帯住宅研究所の調査結果にも出ています。右に示したように、長子が小学生以下(0~12歳)の場合の妻の就業率は全体平均が33%なのに対して、ヘーベルハウスの二世帯住宅に居住する妻の場合は53%にまで上昇していました。つまり、二世帯住宅に住んでいる子世帯妻のほうが働いている人の割合が高いというわけなのです。

しかし、妻がフルタイムで働いている共働き子世帯の保育園利用率は92%と高く、自立しているのも特徴です。「親世帯と同居しても甘えすぎることなく自分たちでのことは自分たちで」というのが、二世帯住宅に住む子世帯のイマドキのスタイルのようです。

近居よりもメリットが多い二世帯住宅

「孫の面倒を見るのは、二世帯住宅ではなく近居でもできるのでは?」と疑問をもつ方もいらっしゃると思いますが、これについての調査結果は下の通りです。

近居よりも、二世帯住宅のほうが孫の世話をする親世帯の割合がぐんと多くなります。これは息子夫婦であっても娘夫婦同居であっても同じ傾向が見られます

近居よりも、二世帯住宅のほうが孫の世話をする親世帯の割合がぐんと多くなります。これは息子夫婦であっても娘夫婦同居であっても同じ傾向が見られます


上のグラフは、おじいちゃん&おばあちゃんに対する調査で、「孫を世話する頻度」について聞いたものです。息子夫婦が近居・隣居の親世帯で「孫を日常的に世話している」と答えた世帯は9%なのに対して、二世帯同居の場合はなんと72%にまで跳ね上がります。娘夫婦の場合も34%から72%へ上昇していることから、「ひとつ屋根の下で二世帯同居」するほうが、お互いの協力度が高くなることがわかります。

親世帯のリビングは孫にとっても人気の遊び場。ママが仕事や買い物で外出していてもおばあちゃんと一緒なら安心です

親世帯のリビングは孫にとっても人気の遊び場。ママが仕事や買い物で外出していてもおばあちゃんと一緒なら安心です


また、前述の通り、二世帯住宅に住んでいても保育園利用率は高いので、親世帯が孫の面倒を見るのは一定時間のみです。そのため、面倒を押し付けられるとは感じていません。近居のほうが日常の細かな様子がわかりにくく、かえって手を出すのが難しいこともあるようです。

一緒に住んでいると子世帯の様子もよくわかるため、忙しそうな子世帯を見て、孫の世話や送り迎えをしたり、食事の準備を助けたり、孫が病気のときに看病を買って出る親世帯が多く見られます。こういった親世帯による「ちょっとした手助け」は、子世帯にとっては「大きな手助け」につながっているのです。

孫・親それぞれに多くのメリットが

子どもたちが親世帯(この場合、子どもからすれば、おじいちゃん&おばあちゃん世帯ですが)と日々の生活で触れ合うことは、単に子育ての面で安心できるだけでなく、さまざまなメリットをもたらすでしょう。例えば、昔からの流儀や慣わしを教えてもらえますし、人とのお付き合いの仕方、きちんとした挨拶や礼儀 を身につけることもできそうです。また、日中、子どもだけで家にいることも少なくなるので、防犯面でも安心できます。

また、二世帯住宅は、「二世帯住宅のメリット・デメリット【経済編】」 でもご説明したように、二世帯トータルで計算すると、離れて暮らす近居に比べてエネルギー消費量をかなり削減でき、省エネにつながります。さらに、留守中 に荷物を受け取ってもらうことができたり、パパとママが仕事で遅くなることがあっても子どもたちの食事の面倒をお願いできるなど、たくさんのメリットを挙げることができます。

孫との大切な時間を過ごすことは、しつけや教育といったメリットだけでなく、毎日を楽しくしてくれる原動力にもなるでしょう

孫との大切な時間を過ごすことは、しつけや教育といったメリットだけでなく、毎日を楽しくしてくれる原動力にもなるでしょう


二世帯住宅は、子世帯だけでなく、親世帯にもよい影響が見られます。たとえば、年齢の離れた孫と接することで、日々ほどよい刺激を受け、孫の世話をすることで毎日の生活に適度な張り合いが生まれます。さらに、親世帯からすれば、二世帯住宅で一緒に住むことは、何物にも替え難い「同じ屋根の下に家族がいる」という安心は大きなメリットでしょう。

ここまで、二世帯住宅が親・子世帯に与える大きな影響について説明してきました。では、どんな二世帯住宅を建てたらいいのでしょうか。
次ページでは、二世帯住宅の間取り・ゾーニングを考えるうえで知っておきたいポイントについて、具体的にご紹介しましょう。


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