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二世帯住宅で暮らす/上手な二世帯同居のコツ

二世帯ノウハウで「共働き家族×近居」の家づくり

共働き世帯が増え、子育てサポートへの期待が高まる昨今。二世帯で同居する場合と同じように、近居でも多くの共働き家族が困った時に親を頼っています。これまで、二世帯住宅の暮らしで、親世帯も子世帯と共に孫育てに関わる「孫共育」の実態と、それに合わせた間取りの提案を紹介して来ましたが、今回は親世帯、子世帯が15分以内で行き来できる距離で「近居」する場合の家づくりの工夫を紹介します。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
松本 吉彦

執筆者:松本 吉彦

二世帯住宅で暮らすガイド

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 親からの子育てサポートで助かっている共働き家族

2016年の男女共同参画白書によれば、2015年の共働き世帯数は1114万世帯で、前年に比べて37万世帯増加し、1992年以降で最大の大量増となりました。保育所の待機児童数も2010年以降の減少が増加に転じ、放課後児童クラブ(学童保育所)の待機人数も急増しています。

この状況の中で、共働きの家族は「何かの時は親を頼りたい」というのが本音ではないでしょうか。当然、こうした方々は同居、あるいは近居を選択すると思われます。アンケート調査をしてみると、30-40代のフルタイムの共働きでは二世帯同居の約9割、近居では7割近くが親からの子育てサポートを受けています。

さらに、子どもが未就学児の場合、約6割の親が子世帯の住まいに来て子育てサポートをしています。フルタイムの共働きの暮らしでは、親の家まで子どもを預けに行く時間もないのでしょう。このような共働き子世帯のための家づくりでは、「親に来てもらった時に子育てサポートしやすいか」という視点が必要と思われます。

夫の親、妻の親、どちらとの近居が多いのかも調べてみると、約半々でした。二世帯同居の場合は夫の親が約2/3を占めていますので、近居は同居と違って夫の親優先といった社会的な習慣の影響が少ないのでしょう。しかし、子育て協力をしているのは妻の親の方が多く、これは妻から頼みやすいことが理由と考えられます。

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子世帯が親に頼んでいるサポートとは?

では、親は近居の子世帯の家に来てどんなことをサポートしているのでしょうか。

子育てサポートは、子世帯に来るほぼすべての親がしています。その内容は、「子どもが病気の時の対応」「遊び相手」「食事を食べさせる」がいずれも約4割ありTOP3。続いて「学校保育園等の送迎」「呼び出し時の対応」が続きます。「夏休み冬休みなどの対応」も約2割の方から挙がった項目です。単純に保育園さえ充実すれば解決する問題ではない、ということが実感できます。

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6割は育児サポートをするが、家事サポートはしない

しかし、家事サポートは約4割に留まります。つまり、6割は子育てサポートはするが、家事サポートはしない、ということです。特に夫の親に来てもらう場合はこの傾向が強まります。家事サポートの内容を見ると、いずれも2割以下ですが「食事の準備・後片付け」「洗濯物取り込み」「日用品の買い物」といった項目が上位に並んでいます。調理・洗濯の内、できない部分だけを頼む、という感じでしょうか。

サポートを受けている子世帯妻に「親に立ち入られたくない場所があるか」という質問もしてみました。最も高かったのが寝室とその収納。次いで書斎などの個人専用のスペースです。この場合夫、妻共に義理の親には見せたくない、という意識が強く見られます。キッチンや洗面所などの水まわりや冷蔵庫の中も、自分の親ならいいが、義理の親は嫌、という傾向があります。

一方でサポートしている親の方の配慮では、子世帯が見られたくない場所として挙げた、寝室や個人専用スペースに「立ち入らないようにしている」と答えた方が約8割を占めていました。親の方も子世帯の家であることを意識し、気遣いながらサポートをしていることがわかります。

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親との近居の際に配慮したい住まいのプランとは?

こうした実態を反映させると、共働き×近居のプランはどのようになるのでしょうか。
間取り

 

まず、親が来て子どもの世話をするとき、必要な空間をコンパクトにまとめることが大切です。LDKにこどもの使う文房具や薬などをしまう収納を設け(間取りの①)、そこだけで必要なものが揃うように工夫したり、子どもが遊んだり昼寝をするためのタタミコーナーを設けたりするとよいでしょう(間取りの②)。子どもの勉強するコーナーをLDKに設けることも有効だと思います(間取りの③)。

それでも、子供部屋に物を取りにいかなければならない機会は少なくないと思います。図のプランのように2階へ上って階段のすぐ脇に子供部屋の入り口を作り、寝室や個人スペースはできるだけ奥にすると、見られたくない場所を見ないで済むようにできます(間取りの④)。

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リビング・ダイニングで使うものを収納するリビングクローク。お子さんのおもちゃや、家族で使うものをまとめてしまえるので便利です。


上記の考え方は、二世帯住宅で「孫共育」をするとき、親世帯が子世帯の奥に入りこまなくて済むように孫の部屋を手前に置く、という「孫共育ゾーニング」と全く同じです。このように、親に子どもの世話をしてもらう、という条件が共通している二世帯住宅のプランニングノウハウを活用すると、近居の家も使いやすいものになります。


孫育てに関わることが親世帯の幸せ

子世帯の家まで来て共働きをサポートしている親に何故そうするのか、を聞いてみると、「共働きをできるだけ助けてあげたい」という意識が約8割の方に見られ、「孫にできるだけ会いたい」がそれに続きます。しかし「自分が介護で世話になるかもしれないから」という見返りを求める意識は低く、約2割しかありません。

しかし、子世帯側の意識では、子育てサポートを受けている方の約5割が「将来親の介護をしたいと思う」と回答しています。近居にするきっかけは子育てサポートであっても、このような二世帯の関係が築ければ、一つ屋根の下ではなくても、二世帯と同じような家族のネットワークを活かした住み方が将来的にもできるのではないでしょうか。

二世帯住宅に建て替えたくても、親の土地がそこまで広くなかったり、兄弟間の関係で二世帯住宅にできない、というケースもあると思います。また、同居よりも距離感を離して住みたい、というご希望もあるでしょう。その場合は、二世帯住宅のノウハウを使った近居の家を建てる、というのは一つの選択肢として考えてみてもいいのではないでしょうか。

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