文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
親子の同居といっても、その形態はいろいろあります。1軒の家に2つの世帯が一緒に暮らす「べったり同居」と、当サイトでご紹介してきた、2軒の家がひとつ屋根の下にあるイメージの「二世帯同居」では、同じ“同居”でも、その暮らしぶりはだいぶ違いがあるものです。今回は「べったり同居」経験談を中心に、「二世帯同居」との生活の違いについてお伝えしたいと思います。
 

新居購入をきっかけに同居開始

べったり同居

「なんとかなるかなぁ」ではじめたべったり同居。寝室以外は全て一緒の生活がスタートしました。

今回お話をお伺いしたのは、同居歴約1年半となる子世帯・奥様のAさん(30代)。結婚後2年経ち、マンション購入をきっかけに、ご主人の母親(50代)と同居を開始しました。お義母さんが「ひとり暮らしでさみしい」というのが、同居の理由です。ご本人は特に抵抗もなく「なんとかなるかなぁ」と思っていたとのこと。

新居は、単世帯用のマンションなので、寝室は別々ですが、その他の空間=居間・食堂・キッチン・水まわりなどは全て一緒という、まさに「べったり同居」となりました。実際に生活がスタートしてみると、思っていた以上にいろいろと問題が……。まず日々の生活からお話して頂きました。
 

過干渉がストレスの原因に!

べったり同居

世話をしてくれるのはありがたいけれど、夫婦の寝室には入って欲しくない…プライバシーの考え方の違いは難しいもの。

まず最大の問題点は「どこまで干渉するか、意識のギャップが大きい」こと。お義母さんは、共働きで昼間に家事のできない子世帯夫婦のためにと、いろいろ世話をしてくれるそうですが、Aさんご夫婦がそれを望んでいないという点が大きなギャップとなりました。

例えばお義母さんが、平日に寝室のカーテンを洗ってくれることがあるそうです。もちろん、ありがたいことなのですが、Aさんは留守中に寝室に入られることの方が気になります。このようなプライバシーに対する考え方の違いは、特に難しいと感じる出来事だったそうです。

また、夕飯を毎日つくってくれるのですが、急な残業や飲み会もあり、必ず食べられるとは限りません。でも、夜遅く帰宅した時に「疲れたでしょ?何か食べる?」と言われると、無下に断るのも悪く……といったジレンマもあるとか。こんな日々のつみかさねが、Aさんのストレスとなっていきました。
 

ルールを決めることでストレス軽減に

べったり同居

日々の生活でつみかさなるストレスは、何とか解決しなくてはなりません。意を決して自分の気持ちを伝えました。

同居を始め、日々の生活でストレスを感じはじめたAさん。食事・洗濯・掃除など、生活の細かいルールを決める必要があると感じ、意を決してお義母さんに「心遣いはうれしいのですが、夕飯はつくらないで結構です。洗濯は別々にするので構わないで下さい。」と提案。この他、掃除の分担や、休日の炊事担当などについても、ご主人を含め3人で話し合ってルールを決めたそうです。それ以後、食事や洗濯に関するトラブルは減り、日々のストレスは改善されたとのことでした。

二世帯同居の場合でも「留守の時は自然と手を貸すことはしますが、日々の生活は別々ですね。」と、基本的なルールを決めている方が大半。中には「我が家は、まったく関知しません。」という完全独立派もいるほどです。べったり同居だからこそ、お互いのニーズが違うことを理解した上で、生活のルールや分担を決めることは、円満な同居を続けるコツと言えそうですね。


次ページでは、日常以外のシーンについてみていきましょう。