今の家に住み続けられるか不安…
戸建住宅は、結婚や子供の誕生・入学するタイミングで購入したり、建築したりするケースが多いものです。現在60~70代の親世帯が、過去にこのようなタイミングで家を手に入れた場合、築年数は30~40年ぐらいになるでしょう。家が古くなったために耐震性に不安を感じたり、台風や大雨のたびに雨漏りに悩まされたりしているかもしれません。
一方で子世帯は、帰省のたびに親の家の寒さや暑さ、段差の多さを感じて「親がこの家に住み続けるのは難しいかも…」という不安を抱くこともあるでしょう。

家の老朽化からくる性能の不安や暮らしにくさに、親世帯は困っているかも…
親の家を二世帯住宅に建て替えるという選択
現在20~30代の子世帯は、子供の誕生や成長で家が手狭に感じ始め、マイホームの購入・建築を検討し始める時期です。また、最近は共働き家族が増えていることから、仕事と育児の両立に悩んでいる時期かもしれません。このような子世帯の暮らしの様子を見聞きして、できる限り助けてあげたいと感じている親世帯は多いのではないでしょうか。
その解決策として、親の家を二世帯住宅に建て替えるという方法があります。

小さな子供がいる共働き夫婦にとって、朝、家を出るまでにすることはたくさん!
二世帯住宅へ建て替えるメリットは?
愛着のある家を建て替えることや、新たに始まる二世帯住宅での暮らしなどに、様々な思いや不安があるかもしれません。しかし、親の家を二世帯住宅に建て替えることには数多くのメリットがあるのです。そこで、主なメリットを5つ解説しましょう。
メリット1:家づくりの費用を軽減できる
親の家を建て替えるため、新たに土地を購入する費用が発生しません。また、住宅ローンの借り入れ方や登記の方法によって、ローン手数料や登記費用などの諸費用を抑えることが可能です。
つまり、それぞれが単独で家を建てたり、親世帯が自力で建て替えやリフォームをするよりも、費用を軽減することができるのです。

土地代がかからない分、建物にお金をかけられるので、希望通りの間取りやインテリア、外観を実現しやすくなります。
メリット2:税制の軽減措置を受けられる
二世帯住宅の建築時には、「不動産取得税」と「固定資産税」の軽減措置があります。
「不動産取得税」は、新築時に1度だけ払います。払う金額は、建物が50m²以上240m²以下の床面積で一定の要件を満たす場合、評価額から一世帯当たり1200万円を控除した額に3%を掛けたものとなります。
二世帯住宅の場合、控除額は1200万円×二世帯=2400万円となります。
「固定資産税」は、「建物」と「土地」にかかる税金で、毎年支払います。
「建物」の方は、50m²以上280m²以下の床面積で一定の要件を満たせば、一世帯当たり120m²分の固定資産税の税率が、新築後3年間は1/2に軽減されます。
二世帯住宅の場合、床面積120m²×二世帯=240m²まで税率が軽減されます。
「土地」の方は、一世帯当たり200m²までの部分が小規模住宅地となり、課税標準額が1/6に軽減されます。
二世帯住宅の場合、小規模住宅用地として200m²×二世帯=400m²まで適用されます。
これらの軽減措置を受けるには、建物についていくつかの要件を満たす必要があります。要件は自治体によって違うので、間取りを決める前に窓口に確認しましょう。
メリット3:毎日の暮らしに楽しさと安心感が生まれる
二世帯住宅へ建て替えると、大人数での暮らしが始まります。玄関先や共用スペースで顔を合わせれば、自然と会話も増え、笑顔も生まれやすくなるでしょう。
さらに、二世帯同居により、怪我や病気のときにすぐに様子を見に来てもらえる安心感が得られます。また、旅行などで長期間不在にする場合でも、防犯面などでの不安が少なくなります。
メリット4:共働きの子世帯に“ゆとり”を与えられる
子世帯が共働きの場合、子供の保育園の送迎や、下校後に親世帯で預かってもらうなどの“子育てのサポート”をお願いしやすくなります。また、急ぎの宅配便を受け取ってもらえるなどの“暮らしのサポート”も受けられます。
このような親世帯による子育てや暮らしのサポートは、子世帯に時間的・精神的なゆとりを与えることができるでしょう。
メリット5:孫の成長によい影響がある
親世帯と孫が一緒に暮らすことで、昔ながらの遊びやしきたり、季節の行事など、暮らしの伝統や文化を継承しやすくなります。
また、孫は親世帯と子世帯の関係を毎日見ることで、年長者を敬い、礼儀をわきまえる気持ちが自然に身に付く効果もあります。さらに、祖父母と同居経験がある子供は、年長者に何をしてあげればよいのかが分かるため、優しく接することができるようになります。

親世帯にとって、可愛い孫がそばにいるだけで、暮らしが生き生きするはずです。
メリットを活かすにはプランニングが重要
これらのメリットを活かせる二世帯住宅へ建て替えるには、建築費用や税制面に配慮しながら、両世帯が暮らしやすいと思える間取りをつくることが重要です。昨今は、数多くのハウスメーカーや建築会社がありますが、二世帯住宅を得意とする会社を選べば、メリットを享受できる間取り提案を受けられるでしょう。もし、暮らし方や建築費用の不安や疑問が生じても安心して相談できますし、蓄積されたノウハウをもとにした納得できる答えを得られるはずです。
ヘーベルハウスは、1975年に住宅業界で初めて二世帯住宅を発売し、1979年には二世帯住宅を様々な角度から研究する組織を立ち上げました。現在も二世帯住宅のパイオニアとして、住まい方の実態調査、研究レポートの発表、調査・研究をふまえた暮らし方の提案を行っています。

「二世帯住宅」という言葉を作ったヘーベルハウス。1979年には二世帯住宅の空間構成による4つのタイプ分けを確立、2012年には単身の兄弟姉妹も共に暮らす2.5世帯の商品提案など、生活者の家で起こっている実態を観察することでニーズを発見し、新しい提案へとつなげています。
まずは親子で話し合ってみよう
二世帯住宅への建て替えを考え始めても、親世帯の中には子世帯の意思を尊重したい、将来の介護で頼りにしていると思われたくないと考え、子世帯に言い出しにくいかもしれません。一方、子世帯は、他の兄弟への遠慮や、親が建てた家を壊すことへのためらいから二世帯住宅への建て替えを言い出しにくいのかもしれません。
お互いへの配慮はとても大切ですが、両世帯がよりよい暮らしを手に入れるためにも、帰省のタイミングなどを利用して親子で気軽に話し合ってみるとよいでしょう。
切り出しにくいときには、まずは自分たちだけで住宅展示場に行くのも一つの方法です。住宅展示場で二世帯住宅の魅力を体感して、話し合いの時に伝えてみてはいかがでしょうか。

二世帯住宅へ建て替えるメリットを両世帯で共有すれば、話し合いもスムーズに進めやすくなるでしょう。
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