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二世帯住宅で暮らす/上手な二世帯同居のコツ

二世帯住宅は玄関1つが当たり前?それとも2つ?

二世帯住宅の玄関を「1つ設けて二世帯一緒に使う」間取りと、「2つ設けて世帯別に使う」間取りでは、暮らしはどのように変わるのでしょうか。今回はそれぞれの間取りにおけるメリットとデメリットと、登記・税制上の注意点を紹介します。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
松本 吉彦

執筆者:松本 吉彦

二世帯住宅で暮らすガイド

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玄関は1つにする?2つにする?

二世帯住宅の間取りを考えるとき、キッチンや浴室と同様に悩む方が多いのが「玄関の数」です。

生活空間を完全に分ける独立二世帯プランにしようと決めている場合は、玄関も2つ設けることになります。しかし、生活空間の一部分を共有する共有二世帯プランや、多くの生活空間を共有する融合二世帯プランにする場合、玄関を1つにするか2つにするか選択することになります。
 
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二世帯住宅の間取りで悩む場所の一つが、玄関。写真は玄関を世帯ごとに設けた独立二世帯プランの家の外観。


外出・帰宅時には必ず通り、近隣の人とのコミュニケーションの場にもなる玄関は、二世帯住宅における暮らしの快適性を左右する場所といえます。そこで、玄関を1つにして共有する場合(共有玄関)と、2つ設けて別々に使用する場合(独立玄関)のメリットとデメリットについて考えてみましょう。
 

「共有玄関」は世帯間のコミュニケーションが取りやすい

共有玄関の最大のメリットは、世帯間のコミュニケーションが取りやすい点です。外出や帰宅時に挨拶をしたり、ちょっと立ち話をしたり、ごく自然にコミュニケーションが取れることも魅力といえます。

また、子世帯が共働きの場合、子どもが帰宅したとき親世帯の所にすぐ行ける点もメリットといえるでしょう。さらに、宅配便や書留などの受け取りを、親世帯に頼むこともできます
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玄関が1つなら、子どもの帰宅時に、おじいちゃん・おばあちゃんから「おかえり」と声をかけてもらいやすくなります。子どもも安心して「ただいま!」が言えるでしょう。
 

親世帯のメリットは防犯面です。最近、親世帯の年代を狙った悪質な訪問販売や振り込め詐欺が増えています。子世帯が訪問者をチェックすれば被害は防ぎやすくなるはずです。

間取りでのメリットは、共有玄関の場合は玄関ドアや土間、収納は1つで済むため、それぞれのスペースを広く取れる点です。ゆったりとした土間に椅子を置きちょっとしたおもてなしの場にしたり、広い収納にゴルフバックやベビーカーを収納すれば、すっきりとした空間をつくることができます。
 
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玄関は1つ、キッチンや浴室は2つ設けた共有二世帯プランの間取り。玄関を1つにすることで1.7帖の広いシューズクローク(②)を設けています。


一方、共有玄関のデメリットは、世帯ごとのプライバシーが守りにくい点でしょう。例えば、深夜の帰宅時にドアの開閉で親世帯を起こしてしまう、近所の人と玄関先で話し込まれると子世帯は外出しにくい、などが考えられます。

ただ、これらは防音性の高い構造にする、帰宅動線に配慮した間取りにすることで概ね解決できるといえます。
 

「独立玄関」は世帯ごとのプライバシーを保ちやすい

独立玄関のメリットは、外出・帰宅動線をしっかりと分けられるため、プライバシーが保ちやすい点です。生活時間帯が違うと外出・帰宅時間も大きく変わるものですが、玄関と外出・帰宅動線が分かれていれば、お互いに気兼ねなく自分たちのペースで生活できます。

また、玄関が別々の方が人を招きやすくなり、訪れた人に対する過干渉を防ぎやすくなる点もメリットといえます。案外気が付きにくいのですが、気兼ねなく人を呼べ、訪問者に遠慮なく来てもらえることは、子どもの友達やママ友、職場の同僚、ご近所の方などを頻繁に呼びたい人にとって重要なポイントなのです。
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おじいちゃん・おばあちゃんに気兼ねなく友達を呼びたいのは、パパ・ママも子どもも一緒。独立玄関なら、訪れる人も遠慮せずに遊びに来やすいでしょう。
 

間取りのメリットは、将来、家族構成に変化が起こったときに賃貸住宅として活用できる点です。もし親世帯のスペースが空いてしまったら、そのスペースを賃貸として貸すことで子世帯は賃料収入が得られます。これは、玄関も含めた間取りがしっかりと区切られているからこそ可能といえます。
 
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玄関を2つ採用した独立二世帯プランの間取り。玄関(①)の位置を離すことでよりプライバシーを保ちやすくなり、賃貸住宅として活用しやすくなるでしょう。


そして、独立玄関のデメリットは、玄関スペースが2つ必要になるため、その分各世帯の床面積が狭くなる点です。床面積が狭くなると、居住空間を確保するために収納を減らしてしまい片付けにくい家になる、それぞれの居住空間が狭くなってしまう、などの支障が考えられます。

さほど広くない敷地での建築を検討されている方は、二世帯住宅の設計ノウハウを持つ住宅メーカーに依頼することが、それぞれの世帯の独立性を尊重しつつ、長く暮らしやすい住まいをつくる秘訣といえます。
 

どちらを選ぶか迷ったら「夕食のスタイル」を参考に

共有・独立玄関のメリット・デメリットは分かったけれど、わが家はどちらが良いのだろう……と迷う方もいるでしょう。基本的には、各世帯の意向、生活時間帯の違いやライフスタイルを考慮して決めるとよいと思いますが、判断材料の一つとなるのが「夕食のスタイル」です。
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同居の楽しみのひとつが二世帯一緒での食事。夕食を毎日一緒に食べたいか、時々で十分かにより、暮らしに合う間取りプランは異なるのです。
 

当社の調査によると、夕食を親世帯と子世帯が別々にとる(とりたい)場合、生活もすべて別々にしたいという傾向が強いことが分かっています。反対に、夕食を一緒にとる(とりたい)場合、基本的に生活全般も一緒としたい傾向があることも分かっています。

つまり、希望する「夕食のスタイル」から、理想の二世帯住宅の間取りを考えていくとよいのです。
 
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「夕食のスタイル」を判断材料の一つとして、玄関やキッチン、浴室は2つ設けた方がよいか共有でもよいか、二世帯間を行き来できる内部ドアを設けるかなどを考えてみましょう。


「夕食は別々」スタイルを希望するなら、それぞれの生活リズムを保って生活していくために、玄関はもちろんキッチンや浴室も2つ設けた独立二世帯プランが適しています。もし、生活時間帯がさほど違わないのであれば、玄関は1つでキッチンや浴室は別々の共用二世帯プランもよいと思います。

「夕食は一緒」スタイルを希望するなら、玄関は1つの融合二世帯プランでも、大きなストレスなく暮らせる家になるでしょう。とはいえ、この先も同じように過ごせる訳ではありませんし、各世帯が自立して生活するためにも、メインキッチンとは別にサブキッチンを設け、浴室の他にシャワー室を設けることをおすすめします。
 

登記と税制も考慮したうえで選択しよう

ここまで、暮らし方や間取りのメリット・デメリットをご紹介しましたが、最後に玄関の数によって登記の方法や適用される税制の特例が変わることも覚えておきましょう。

二世帯住宅の登記には、親子いずれかの単独所有名義での登記(単独登記)、親子共有名義での登記(共有登記)、区分所有建物として世帯別々の名義での登記(区分登記)、という3つの方法があります。

玄関、キッチン、浴室などが2つある独立二世帯プランの場合、基本的に区分登記が可能です。しかし、玄関は2つでもそれ以外に共有部分が多い融合二世帯プランの場合、区分登記が認められないケースもあります。

玄関1つの場合は、単独登記または共有登記となります。

それぞれの登記については、「どうすればいい?二世帯住宅の名義と贈与」「二世帯住宅のメリット・デメリット【経済編】」で解説しているので参考にしてください。
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登記の方法により、受けられる税制の特例や相続の方法が変わるので要注意。
 

登記の方法により、受けられる税制の特例や相続の方法が変わります。特に相続を強く意識されている方は自分たちで安易に決めず、ファイナンシャルプランナーや税理士など“お金のプロ”に相談することが重要といえるでしょう。また、間取りとお金は密接に関係しているので、両方の相談ができるハウスメーカーに相談するのがオススメです。

【関連情報】
家族がつながる二世帯・多世帯の暮らし実例はこちら
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二世帯住宅が相続に強い理由
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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