二世帯住宅はいつ生まれ、どういう歴史をたどってきたのでしょうか。そして今、二世帯同居が注目されるのは何故なのでしょうか。今回は二世帯住宅の流れを振り返り、これからの二世帯住宅を考えてみたいと思います。

二世帯住宅はヘーベルハウスが作った言葉

【図1】1975年当時の最初の二世帯住宅のカタログ。 提案されたプランは外階段のある、独立二世帯で行き来ができないタイプであった。
「二世帯住宅」という名前は、元々は1975年に出されたヘーベルハウスの商品名です。このとき提案されたのは上下で世帯のスペースを分けた独立二世帯でした。各世帯にキッチン、水回りや玄関があり、外階段で2階へと上がるもので世帯間の行き来は室内ではできないプランです。

当時ハウスメーカーの提案はハード面の性能を中心になされ、プランは夫婦+子2人の核家族を想定した企画化されたものが多かったのですが、家族の住まい方に対応したプランという「ソフト」の提案は非常にユニークなものでありました【図1】。

以後、「二世帯住宅」は二世帯住宅研究所の中ではキッチンが2つあり、親子が独立した世帯として住まう住宅と定義され、現在まで使われ続けています。キッチンが1つしかないものは、一体同居住宅、俗に「べったり同居」住宅と呼び、二世帯住宅とは区別しています。「二世帯」という言葉はある程度生活の分かれた親子同居をイメージした名称として一般にも広く使われ定着しましたが、必ずしも当研究所の定義と同じではなく単なる親子同居を指すこともあるようです。

なぜ二世帯住宅は誕生したか

それでは、なぜこの時期に二世帯住宅が生まれたのでしょうか。これ以前の時代は、親子同居することが一般的で、家族人数で言うと6人以上の家族が最も多かった時代です。

1960年以前は30%以上を占めていた6人家族は急減して1965年の国勢調査では4人世帯に抜かれ、1980年には10%を切ってしまいます。これに代わって伸びているのが4人世帯と、1-2人の世帯です。国勢調査の「世帯」とは生計が一体である範囲としていますので、生計が別であれば二世帯同居では2つの世帯とされ、例えば親世帯が2人世帯、子世帯が4人世帯として扱われることになります。

6人以上の世帯が減ったということは、親世帯が子と生計を分けるようになったことを意味しており、このような家族の器として、二世帯住宅が誕生したということではないかと思います。

なお、1995年以降、4人世帯は1-2人の世帯に首位の座を明け渡し、以後家族の少人数化が一層進むことになります【図2】。
【図2】世帯規模別世帯数構成比の変化

【図2】世帯規模別世帯数構成比の変化(出典:平成27年国民生活基礎調査)


二世帯住宅は80年代以降一般化します。 >次ページ