島の蒸溜所の歴史はかなり古い
ボウモア12年
1779年創業のボウモア蒸溜所がその象徴で、文献に記録され、現在も操業している蒸溜所で歴史の長さで一、二を謳われる。島のモルトウイスキーの歴史の古さはなんだろう、と驚かされるのだ。
ボウモアが1779年。その他、アイランズモルトと呼ばれるものではスコッチ極北の蒸溜所、オークニー諸島メインランド島にあるハイランドパーク蒸溜所は1798年創業。ヘブリディーズ諸島はアイラ島のすぐ北に位置するジュラ島のアイル・オブ・ジュラ蒸溜所は1810年創業。またそれより北に位置するスカイ島のタリスカー蒸溜所は1830年創業である。
ボウモア蒸溜所のあるアイラ島のアイラモルトでいえば、ラフロイグ蒸溜所が1815年創業。ラガヴーリン蒸溜所が1816年創業。アードベッグ蒸溜所創業は1794年説と1815年説がある。
簡単に列挙したが、もちろんこれらのなかには長い期間にわたり操業停止だったり、操業と休業を繰り返した蒸溜所もある。とはいえ21世紀もウイスキーファンに知られ、誰もが一度は口にしたことがある、というのはなんとも凄い。時の長さからいえば、まったくもって驚異である。
島の、海の、潮の香味を堪能
ラフロイグ10年
スペイサイドはもちろん、スコットランドのハイランド地方はかつては辺境の地で、悪路を旅してエディンバラやグラスゴーへと辿り着く、といった状況だった。その点、島のウイスキーは船でローランド地方の都市にバーンと輸送することができた。大昔の立地条件でいえば優位であったことは確かだ、それでも21世紀のいまに至るまで、その名を知られ、味わうことができる。素晴らしい。
では、島の、海の、潮の香味を堪能していただきたい。まずはアイラ島、ボウモアやラフロイグのシングルモルトウイスキーでしっかりと島の味わいを口中に浸潤させよう。歴史を飲もう。
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