12年にわたる貯蔵熟成の細心の管理
ジムビーム シグネチャークラフト
ノブクリークシングルバレルはISC2014において最高賞トロフィーを受賞して話題になった。実はジムビーム シグネチャークラフトは同じISC2014でウイスキー部門金賞を受賞している。
さてバーボンウイスキーを、ジャパニーズウイスキーやスコッチウイスキーと同じように熟成年数で香味品質を評価しないでいただきたいと前回記事「バーボンの熟成ピークは何故早いのか/入門編」で述べたが、このシグネチャークラフトの12年という樽熟成は驚異といえる。
前回記事で、ケンタッキーの気候は寒暖差が激しく、熟成樽内でのバーボン原酒の呼吸もとても活発であるとお伝えした。そんな環境下での長年にわたる貯蔵熟成管理にはとても難しいものがある。ここしばらくの記事で紹介してきたノブクリーク、ブッカーズ、ベイカーズ、ベイゼル ヘイデンといった職人技が光るスーパープレミアムなクラフトバーボンシリーズでさえ、9年超が最長の熟成期間であり、それさえも細心の注意を払った徹底的な貯蔵管理をおこなって世に出されるものである。
リッチな甘みと奥行きのある味わい
では、ジムビーム シグネチャークラフトの味わいをお伝えしよう。ビーム家7代目、フレッド・ノー(*ノブクリーク シングルバレルの記事を参照のこと)が最高品質の原料によって、12年超の熟成を経た香りは、シナモン、バニラ、オークの樽香が特長的である。シナモンを感じさせるのはスタンダードなジムビームに感じる柔らかなスパイシーさが長期熟成によって変貌したものではなかろうか。
芳醇な香りとともに味わいってみる。スムーズに口中に滑り込むと同時に、華やかでリッチな甘みがフワっとしなやかに広がる。そして奥行きのある深い味わいが長くつづく。
バーボンの12年であるから、もっと枯れたパサパサした感じがあるのではなかろうかと思ったのだが薄っぺらさはない。豊かなみずみずしさがあり、とても飲みやすく、しかも深い。
フレッド・ノーは「12年がいまのところの到達点。現状でこれ以上バーボンを熟成させると無理が生じてくる」と言う。シグネチャークラフトと命名しながら、ノブクリークやブッカーズなどのクラフトバーボンシリーズに加えないのは、あくまでもスタンダードなジムビームの極み、最高峰という位置づけなのだろう。
この年末年始、ジムビーム シグネチャークラフトをみつけたなら是非味わってみていただきたい。
JIMBEAM SIGNATURE CRAFT
ジムビーム シグネチャークラフト
700ml・43%・¥5,000(税抜き)
色 深い琥珀色
香り シナモン・バニラ・オーク
味わい リッチな甘み・奥行きのある深い味わい
フィニッシュ 長い余韻がつづく
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