バーボンのスーパープレミアム
ビーム家6代目ブッカー・ノー
前回記事の「ノブクリーク/世界が認めるプレミアムバーボン」で、スモールバッチシリーズは他にブッカーズ、ベイカーズ、ベイゼルヘイデンがあると述べた。すべてバーボンにおいては長期熟成ものだ。第2弾はそのなかからブッカーズを紹介する。
わたしはブッカーズを、ビーム家という200年以上の歴史を誇る、バーボンの王者の魂が宿るスーパープレミアムバーボンだと思っている。名匠と謳われたビーム家6代目マスターディスティラー、フレディ・ブッカー・ノー・ジュニア(1929~2004年/現7代目は彼の息子)が、ビーム家伝承の香味づくりの粋を結集。情熱を注いで香味をより高めたものだ。
ブッカーズはブッカー・ノー・ジュニアの最高傑作であり、スーパープレミアムバーボンの頂点に立つといっても過言ではない。
友人にひとり大のつく「ブッカーズ・ファン」がいる、彼はわたしより15歳くらい若いのだが、よく酒を知っていて、そしてよく飲む。バーでカクテルを3杯ほど飲むと、ブッカーズを飲みはじめる。そろそろ今夜はおしまいにしようか、という場面でブッカーズのストレートをすでに4杯飲んでいる。
そして「最後、ブッカーズをもう1杯つきあってください」と彼は言う。相手をするのだが、2杯はつきあうことになる。「馬鹿だな」とわたしは言いながら、やはり旨いと納得してしまう。
わたしが「ノブ クリークもバランスがよくて好きだ」と言うと、彼はノブ クリークの素晴らしさを認めながらも、何故かブッカーズばかり飲む。
6~8年熟成樽のなかから厳選した樽出し原酒
ブッカーズ
そのため製造年によって度数や香味に微妙な違いがあり、それがウイスキー通を魅了する要因にもなっている。
熱烈なファンが多く、ひとたび魅了されると恋しさが募り離れられなくなると評されてもいる。友人のようなファンがたくさんいるのだ。
ここちよいオークの樽香。驚くのは、高いアルコール度数を感じさせないしなやかさ、そして深い熟成感がありながら重くないバランスのよさ。さらにわたしが好ましいと感じているのは、フルーティーさのなかに密やかな独特のほろ苦さがある点だ。これが実にいい余韻として残り、クセになる。
お試しになっていらっしゃらない方は、是非にとおすすめする。前回記事で紹介したノブ クリークと飲み比べて楽しんでいただけたら、なおさら嬉しい。(ボトル撮影/川田雅宏)
BOOKER'S
750ml・63%・¥6,000
色 赤みを帯びた深い琥珀色
香り 甘い花のような繊細な熟成香とオークの樽香
味わい バニラやキャラメルを想わせる甘さ・フルーティー
フィニッシュ 余韻が長く、フルーティーなコクに漂うかすかなほろ苦さが印象的
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