コーチング

ストレスは、本当に「悪者」なのか?(2ページ目)

ストレスは万病のもととも言われるように、私たちは「ストレス」によくないイメージを抱く傾向があります。しかし、つきあい方のポイントを抑えれば、ストレスはパフォーマンスアップのスパイスになるかもしれません。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

ストレスをコントロールする方法

ストレスを意識的にコントロールするためには、次の4つのポイントが重要です。

  1. ストレスを理解する 

    まずは相手を「知る」ことがはじめの一歩です。ストレスについて知ること、また、冒頭のスピーチの主張に学ぶならば、ストレスをどのように捉えるかも大切なポイントの1つとなるでしょう。

  2. ストレスの測定

    まずは状態を知ることから

  3. ストレスレベルを把握する 

    次に、どのくらいのストレス状態なのか、そのレベルを把握します。ストレスレベルの把握には、その状態を測るためのストレスチェックアセスメントや、次に紹介するストレスサインが一つの目安になります。
     
  4. ストレスサインが何かを知る 

    ストレスサインとは、ストレスが過剰になったときに心や体、そして行動に現れる変化のことです。

    ストレスサインは人によって、現れ方もその種類もさまざまです。自分のストレスサインを把握しておくことで、その頻度や程度によって、ストレスレベルを把握することができるようになります。

    とはいえ、心身の変化は主観的な部分もあり、わかりにくいところもあります。そこで参考になるのが、次のような行動上の変化です。

    攻撃的な行動にでる
    ・口答えや批判が多くなる
    ・人のせいにする
    ・ささいやことに腹をたてる
    ・歩くスピードや食べるスピードが早くなる など

    逃避的な行動にでる
    ・遅刻や欠勤が増える
    ・口数が少なくなる
    ・トイレや休憩の回数が増える
    ・仕事の能率が下がる など

    ライフスタイル
    ・コーヒー、タバコ、間食の量が増える
    ・身だしなみが乱れる
    ・テレビやインターネットを観る時間が長くなる など
     
  5. ストレッサー(ストレスが高くなる要因)を知る

    ストレッサーとは、ストレスを高める要因のことです。自分にとって、何がストレスを引き上げる要因となるのかを知っておくことで、過剰なストレスに対して具体的に対応したり、さらには過剰なストレス状態を予防することができます。ストレッサーには大きく分けて、次の4つがあります。

    物理的ストレッサー:暑さ、寒さ、騒音、感情汚染、交通渋滞など
    化学的ストレッサー:酸素の欠乏、栄養の量や質の過不足など
    生物学的ストレッサー:ウィルスや病原菌の侵入など
    社会・精神的ストレッサー:人間関係、経済状況、時間制限、ライフイベンツなど

    ちなみに、ライフイベンツとは、就職や退職、結婚、入院など生活上の出来事のことです。失業や離婚、入院などは比較的ストレッサーとしてアンテナを立てますが、結婚、出産、昇進などよいことも実はストレッサーとなることを私たちは見逃しがちです。

    内容が好ましいか、好ましくないかに関わらず、いつもと違う出来事が起きるときには、自分のストレスレベルやサインにいつも以上に注意が必要です。

     

リーダーは相手のストレスにもアンテナを!

急激なグローバル化などの大きな変化、それを生き抜くための過酷な競争…私たちは、絶えずストレスの影響を受けています。そんな中、リーダーは自身のみならず、部下のストレス・コントロールをサポートすることをますます求められているように思います。

冒頭で紹介したスピーチで、ケリー・マクゴニカルさんは、ある研究結果から、次のことにも触れていました。

社会的なつながりやサポート、手を差し伸べ合うことで、
ストレス反応は健康なものとなり、ストレスからの回復も早まる

改めて、組織内におけるコミュニケーションの重要性とその可能性を感じます。

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