承認とは?どういうコーチングスキル?

コーチングスキルは、100種類以上あるといわれていますが、そのなかでも特に活用しやすいのが「承認するスキル」です。承認とは、相手に現れている変化、成長、成果に気づき、それを言語化して伝えることです。しかし、承認とは「人を褒めることである」という誤解も生じています。褒めることは承認することのほんの一部です。そこで、部下の目標達成を促進させるための「承認のスキル」を向上させる方法を取り上げます。

承認とは「そこにいることに気づくこと」

承認とは部下が明るく元気になるコーチングスキル

承認とは部下が明るく元気になるコーチングスキル

承認は英語いうとで「アクノレッジメント(Acknowledgement)」になります。語源で調べると、「そこにいることに気づく」という意味があります。すなわち、その人に光を当てることだといえるでしょう。アメリカの映画際であるアカデミー賞の授賞式で、受賞者が「I would like to acknoweldge(私はこれから次の方々を承認します)……」という言葉から始まり、関係各者の名前を次から次へと読み上げる場面がありますが、あれはまさに承認です。それは必ずしも褒めるということではなく、「この人たちがこの映画に関わってくれました」と光を当てて紹介しています。
 

承認されると明るく元気になる

このように承認とは、その人の存在に気づいていて、それを伝えることです。そうすると、承認された人は明るく元気になります。

ビジネスシーンでは、承認は目標達成を促進する効果を発揮します。また、やる気や自発性を促し、お互いの信頼構築の基盤となります。部下は承認を通して、自分の成長を認識し、さらなる成長に向けてチャレンジするエネルギーを得るのです。
 

承認は相手を観察することからはじまる

「あなたの部下やプロジェクトメンバーなど、1人選んでみてください。その人を承認するとしたら、どんな言葉をかけますか?」

この問いかけをすると、ほとんどの人が何を言っていいかわからず口ごもります。しばらくすると、

「君ってすごいね!」
「さすがだね!」
「えらいなー!」

など、誰に対しても投げかけられるような賞賛の言葉が口をついて出るのが関の山。これでわかるように1人ひとりの行動や能力について関心を持って関わらなければ、どうやって承認したらいいかよくわからないものです。承認上手は、まず相手をよく観察し、その人特有の行動や具体的な成果を伝えています。

「君は毎朝人より30分ほど早く来て、机の上をふいてくれているね」
「今回の成績は、前回より18%伸びているね」
「この1ヶ月お客様のところに訪問することが楽しそうだね」

これらの特徴は、具体的な事実を伝えていることです。事実は観察しないと知るすべもないですから、本人は「自分のことを見てもらっている」という実感を持つことができ、信頼感が築かれます。もしこれを

「君は早く来てえらいね」
「18%伸びているそうじゃないか。すごいなー」
「訪問がやっとうまくできるようになったな」

などと伝えると、受け取った感じはどう変わるでしょうか? これらには、伝える側の評価が入ってしまうため、良い/悪い、評価する人/評価される人、など判断された気持ちになり、あまり心地よくありません。

承認するには、まず部下をよく観察すること。そして、その人特有の強みや特徴を把握し、そのことを事実として伝えることです。このような承認は信頼構築につながり、相手のやる気や自発性を強く促すエネルギー源となります。

承認は相手を尊重すること

承認とは相手を尊重すること

承認とは相手を尊重すること

承認を言葉の形で伝えるものもあれば、行動で伝えるものあります。たとえば、上司に「この本は君にぜひ読んで欲しい」と自分が好きなことについて書かれた本を渡されたらどうでしょう? 自分のことについて考えてくれている、という気持ちが伝わり、自分が尊重された気分になることでしょう。

承認には以下があります。自分はどんな承認をしているかチェックしてみてください。

□ 挨拶をする
□ 仕事を任せる
□ お礼を言う
□ 変化に気づいて伝える
□ 目を見て話す
□ 約束の時間を守る
□ ねぎらう
□ 誕生日を覚えている
□ 成果についてみんなの前で話す
□ 成功談を聞く
□ 役割を与える
□ その人の家族を気遣う
□ 相談をする
□ 将来のことについて聞く
□ 食事などに誘う
□ メールにすぐ返事をする
□ 人に紹介する

「いま社内の若手の中で、一番成績をあげている○○です」「○○は、この領域で一番知識があって詳しいので紹介します」など、人に紹介するというのは、なかでも特に強力な承認となります。
 

承認を伝える3つのポイント

承認を伝える際には次の3つのポイントを意識して伝えましょう。

1.事実を伝える
相手が何を達成したか、どんな行動をしたかの事実を伝えること

2.比較する言葉は使わない
「A君より優れている」など、比較を使うと受け取りにくくなります

3.相手に届くのを待つ
承認を伝えたら相手が受け入れるのを待つ。相手の反応がすぐになくても、よく観察していることです。一瞬の表情の動きや声のトーンの変化を見逃さず意識します
 

承認を効果的に伝えるコツ

最後に、承認を伝えるときは、You(あなた)、I(私)、We(私たち)の3つの立場を使い分けると有効です。

「君は最後までやり通したね」(You)
「君が最後までやり通して、僕は心強かったよ」(I)
「君が最後までやり通して、みんなでプロジェクトの成功を確信したよ」(We)

Youの立場からは相手への関心が伝わり、I の立場からは相手から受けた影響が伝わり、Weの立場からは、一緒にやっている人たちの実感が伝わります。相手に何を伝えたいかにより、立場を選んでメッセージを発生すると効果的です。

もし、承認することが難しければ、まず部下1人を選びその人をよく観察するところから始めてください。そして、気づいたことを伝えたり言葉をかけたり、上の承認のリストから行動を選んで取り組んでみてください。

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