「タッジーマッジー」とはハーブ等で作る花束
タッジーマッジー(タジマジとも)とは、ハーブなど芳香のある植物を束ねた小さな花束のことです。ラウンド型にまとめられた花束はノーズゲイ(nosegay)とも呼ばれます。ハーブは、独特の香りで虫を寄せ付けないことや抗菌作用があることから、古くから暮らしの中で利用されてきました。そんなハーブの特性を利用して香りの花束を作り、それを身につけることで疫病を防いだり魔除けにしていたのが始まりです。またこの魔除けの意味から、花嫁が持つブライダルブーケの由来とも言われています。
中世ヨーロッパでは、花言葉に想いやメッセージを込めて贈った歴史もありますが、このおまじないのような言葉の由来については諸説あり、綴りも「Tussie-Mussies」「Tussy Mussy」「Tuzzy Muzzy」など、明確ではありません。このあたりのミステリアスな感じも、いかにも英国の魔女たちが口伝してきたかのようなイメージを抱かせ、魅力的な響きに聞こえますね。
基本的なタッジーマッジーは?
フラワーアレンジメントを嗜んでいる方なら「ラウンド型」でお分かりになると思いますが、基本としては香りの良い花を中心に据えて、その周りをハーブで囲んで丸く(花を正面に向けて円形に)仕上げるのが理想的な形になります。使用する花やハーブに特に制約はありませんが、バラを中心に据えてまとめるのがポピュラーのようです。
タッジーマッジーに使われるバラやハーブ
ここでは、タッジーマッジーによく使われるハーブを挙げてみましょう。- アキレア(ヤロウ)
- タイム
- バーベイン(クマツヅラ)
- バレリアン(セイヨウカノコソウ)
このほか、ハーブに限らず香りの良い花を入れても構いません。
なお、ルーに関しては決して良い香りとは言えないのですが、虫除け効果の高いハーブになります。ただしこれも「蓼食う虫も好き好き」で、アゲハの幼虫にはごちそうのようです。
気軽に楽しもう!香りの花束
タッジーマッジーは元々、虫除けや魔除けといった使い方をされていたものです。実用であれば、フラワーアレンジメントのようにきれいにまとめあげる必要もないわけで、気楽にラフに楽しんでみましょう。とはいえ摘みっぱなしで束ねただけでは、すぐに萎れてしまいます。虫除けのために身につけるのであればそれでも構いませんが、長く楽しむにはやはりしっかりと水揚げさせることが肝心です。使用するハーブは、切ったさきから水を張った器に入れていき、タッジーマッジー用に長さを揃えて水切り(水の中で茎を切ること)をします。
充分水揚げをしたら花束にまとめ、切った先端を湿らせた水苔(キッチンペーパー等で代用可)でくるみ、麻ひもやラフィアで束ねればできあがりです。気のおけない友達へのちょっとしたプレゼントにもいいですね。 できあがったタッジーマッジーは、ドライフラワーにしても楽しめます。もし乾燥途中で崩れてしまったら、ポプリやサシェ(香りの小袋)の材料にしてしまってもOKです。また、うまく花束にできないという方は、タッジーマッジーとは呼べないかもしれませんが花瓶に活けた状態で楽しんでもいいでしょう。花は終わっても、ハーブは水を変えてあげればしばらく楽しめます。種類によってはそのまま発根することもあるので、香りを楽しみつつ繁殖もできて一石二鳥かも?!
ご紹介したタッジーマッジー作りを意識して、庭の一角にハーブガーデンを設えてみるのもまた一興でしょう。ハーブの楽しみ方が、また一つ増えますね。
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