マッカラン、白州が好調だ
新山崎と新白州
未曾有の大震災に原発事故。世の中にさまざまな影響を及ぼしたが、酒類業界もビール工場、東北の清酒の蔵元をはじめ被害は大きかった。また自粛ムードにより夜の町は静かになり、飲食業界は苦戦を強いられた。
そんな中、ウイスキーも影響を受けて消費量がかなり落ちるのではないかと噂され、私自身かなり気にかかっていた。ハイボールという飲み方が定着し、角瓶をはじめとした大衆ウイスキーに関してはそんなに心配はない。やはりプレミアムウイスキー、とくにシングルモルトの動向である。
読者の皆さんの中にもわたしと同じ思いの方がいらっしゃるのではなかろうか。
そこでランキング。昨年度のシングルモルト販売数量の推計が出揃った。広報発表や酒類業界誌紙の数字を基に割り出したものだ。
[2011年度シングルモルトウイスキー販売数量ランキング]
ブランド | 販売数量 | |
1. | 山崎 | 170,000 |
2. | ザ・マッカラン | 49,000 |
3. | 余市 | 33,000 |
4. | ザ・グレンリベット | 20,000 |
5. | 白州 | 19,000 |
6. | グレンフィディック | 14,000 |
7. | ボウモア | 11,000 |
7. | 宮城峡 | 11,000 |
9. | ラフロイグ | 10,000 |
10. | トマーチン | 6,000 |
2010年に「シングルモルトランキング2009」という記事で、2009年度の数字を発表したが、それと比べると極端には数字が落ち込んではいない。逆に数字が伸びたブランドさえある。
スコッチではザ・マッカラン、ザ・グレンリベット。ジャパニーズでは白州が好調だ。
マッカランは2009年から2011年の間に11,000ケース増。また白州は2006年7,000ケース、2009年14,000ケース、2011年19,000ケースで、5年間に12,000ケースも販売数量を伸ばしている。今年も好調がつづけば20,000ケースを越えるだろう。
山崎が多少は世情の影響を受けたようだが、それでも海外で30,000ケースを販売しており、思ったよりも数字の落ち込みが少なく、断トツの人気を誇っている。
まあ、全体に想像していたよりもずっと安心できる数字で、めでたし。
山崎、白州ともこの5月末に発売した新山崎、新白州が、居酒屋、レストランの食業態を中心に好調をつづけていると聞く。10年ものに影響が出るのではとわたしは危惧していたのだが、こちらも堅調らしい。わからないものだ。
新山崎、新白州の刺激もあって、2012年はシングルモルト全体の消費量がより伸びるのではないかと期待されている。
最後にちょっとだけサービス。11位はタリスカー4,500ケース、12位アードべッグ3,100ケースである。これからあとは数字がどんどん下がるので、申し訳ないが紹介しない。
とにかく、みんなもっとウイスキーを飲もうよ。
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