味わいの調整用語
ラムベースの「ネバダ」。アンゴスチュラビターズを1ダッシュ加える
● ドロップ Drop
一滴だけ落とす量のこと。通常は苦み成分を配合したリキュールを入れた、小さなビターズボトルから一滴落とすことをいう。このドロップがカクテルの味わいを引き締める。
● ダッシュ Dash
上記のビターズボトルをひと振りしたときに出る量のこと。1dash、2dashesというふうにレシピには表記される。1ダッシュは5~6ドロップを目安にしている。
● ティ・スプーン Tea Spoon
カクテルレシピにはtsp.と表記されている。1tsp.は茶さじ1杯の量で、カクテルではバースプーン1杯を指す。
「ウイスキー・フロート」は水割りの変形スタイル
主にレモン・ピール(レモンの皮)といった柑橘類の皮を指先でひねることをいう。ツイストさせることで皮表面のオイル成分が飛び、カクテルに降り注ぎ、爽やかな香りを添えたり、味わいを引き締めたりする。
● スノースタイル Snow Style
前回記事のデコレーションの項で登場しているが、ここであらためて丁寧に説明したい。
グラスの縁に塩や砂糖をまぶした状態が、雪のようなまたは雪が凍りついたような感じに似ているのでこう呼ばれている。
よく乾いたグラスの縁の外側をレモンやライムのカット面に当てて、くるりと1回転させる。次に平皿に入れた塩や砂糖にそのグラスの縁を軽く押し当てて引き上げれば、スノースタイルになる。またリキュールでグラスの縁を濡らして、それに塩や砂糖をつけることもあり、この場合、使うリキュールの色に染まったスノースタイルとなる。
生クリームをフロートさせる「アイリッシュ・コーヒー」
どちらかといえばカクテルのスタイルに当てはまるだが、あえて調整用語に加えた。フロートは、グラスに水を入れ、その上にウイスキーをゆっくりと浮かべる「ウイスキー・フロート」が知られているが、簡単にいえば比重を利用して、異なるもの同士が混ざらないように、美しく仕上げる手法のこと。
ある酒の上に、別の酒を浮かべる。酒(カクテル)の上に生クリームを浮かべる。ジュースといったソフトドリンクに酒を浮かべる、などフロートにもいろいろある。
とりあえず、カクテルレシピの表記の中によくある調整用語を拾ってみた。参考にしていただきたい。
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