とっておきの天然水割りウイスキー

 
スペシャルリザーブ&ウォーター缶

スペシャルリザーブ&ウォーター缶

 前回記事『サントリーリザーブ・ハイボールに香る白州モルト』で、「リザーブ&ソーダ」の美味しさに気づいていない人が多い、と述べた。洗練されたしなやか味わいを是非とも堪能していただきたい。
 さて、今回は「サントリースペシャルリザーブ&ウォーター250ml缶 スペシャルリザーブの天然水割り」(以下「リザーブ&ウォーター缶」/250ml・9%・¥210税別希望小売価格)を紹介しよう。1993年発売。およそ30年、根強いファンに支えられてロングセラーをつづけている。
 そもそも“RESERVE”には“とっておき”という意味がある。この「リザーブ&ウォーター缶」も、まさにとっておきの水割り缶といえる。
 “天然水割り”だからじゃないの、とおっしゃる方もいらっしゃるだろう。たしかに“天然水割り”を謳ってはいるが、それだけではない。9%という低いアルコール度数に抑えながら、「リザーブ」の華やかでまろやかな味わいを十分に満たすためには、製法としては結構手間がかかるのである。
 高いアルコール度数でしっかりとまとまり、ロックされていた香味が、ウイスキーと水が混じると希釈熱が生じたり、急に温度が下がったりすると一部成分に不溶化といった現象が起こり白濁したりする。丁寧に繊細に冷却濾過したりするのであるが、おそらく何段階かの工程を経て9%の美味しさへ辿りついているはずである。
 単純に天然水で割って9%にしました、ということではない。確かな技術によってつくられた“とっておき”の水割りである。
 

悪魔のように細心に、天使のように大胆に

 前回記事につづいて広告の話になるが、かつて「リザーブ」のCMに映画監督の黒澤明が出演していた。1970年代後半のことである。かなり重厚なつくりのシリーズで、わたしが印象に残っているのが“悪魔のように細心に 天使のように大胆に”というフレーズである。
 広告用のキャッチコピーというより、巨匠黒澤が好きだった言葉らしい。同名の著書もある。
 ウイスキー職人たちには悪魔や天使の意識はないだろうけれど、「リザーブ」の天然水割りの美味しさを細心に、そして大胆に缶に封じ込めたのである。
 首都圏のコンビニエンスストアのなかには販売しているところもあるようだが、わたしは新幹線に乗り込む前に購入することが多い。新型コロナ禍のいま、気軽に旅に出ることもままならない。以前のように新幹線の車内で心置き無く、とっておきの「リザーブ&ウォーター缶」を飲める日が来るように祈っている。
 

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