ギリシャのチーズ
実はギリシャはフランスやイタリアにも勝る世界一のチーズ消費国。チーズは古代ギリシャの時代から作られており、すでに紀元前9世紀の叙事詩『オデッセイア』のなかにチーズに関する記述が登場したほど。ギリシャを代表するチーズといえば「フェタ」。ヤギまたは羊の乳を使って作る真っ白なフレッシュチーズです。パイ料理に使ったり、「ホリアティキ」と呼ばれるサラダなどに使ったり、とにかく毎日食卓に登場します。
そのほか、ヤギと羊のミルクを混ぜてつくる「カセリ」はパンにのせると美味。ビザンチン帝国の時代から作られていたという羊やヤギのハードチーズ「ケファロティリ」は、焼いてレモン汁をしぼれば「サガナキ」という前菜になります。
トルコのチーズ
トルコでもっともよく食べられているのがフェタにも似た「ベヤズ・ペイニル」。牛、羊、ヤギとさまざまな乳を使って作られるフレッシュチーズで、朝食には欠かせません。そのほか、羊の乳で作る黄色いチーズ「カシャル・ペイニリ」もポピュラー。エーゲ海周辺やアナトリア東部で作られている羊、または羊とヤギのミルクで作る「トゥルム・ペイニリ」はマイルドな味わいがクセになります。キプロスのチーズ
地中海に浮かぶ島国キプロスは知られざるチーズの名産地。ユニークなのは「ハロウミ」(ハルミ)と呼ばれるフレッシュチーズで、加熱しても形が変わらない性質を持っています。キュッとした歯応えで、軽く焼いて食べるのが一般的。ハロウミをつくるときに出てくるホエー(乳清)を使った「アナリ」というチーズもよく知られています。<世界のチーズ>