スイスのチーズ
チーズフォンデュに代表されるように、素朴なチーズ料理が多いスイス。雄大なアルプスを擁する土地柄、水分が少なく保存がきくハード・セミハードタイプのチーズが主流。なかでも「エメンタール」と「グリュイエール」がスイスの2大チーズです。エメンタールは、マンガでもおなじみの穴あきチーズ。チーズと聞くと、これをイメージする人も多いかもしれません。ちなみに穴があくのは、発酵のときのガスが原因。穴はチーズアイ(チーズの目)と呼ばれます。もうひとつ、グリュイエールはスイスでもっとも食べられているもの。エメンタールと一緒にチーズフォンデュにも使われます。
ヴァレー州名産のハードチーズ「ラクレット」は、その名を取った料理も有名。チーズを専用のラクレット台に乗せ、温めて溶けた表面を削り、ジャガイモなどと食べるものです。ちなみにラクレットは、フランス語で削るを意味するraclerが語源になっています。
スイスではチーズ職人(マイスター)のための国立学校があります。伝統の知識を後世に引き継ごうと国をあげて取り組む姿勢は、農家での小規模なチーズ作りがまだまだ健在のスイスならでは。実際にマイスターになるには、学校に加えて、数年の実習も必要です。
ドイツのチーズ
ヨーロッパのなかでは珍しくプロセスチーズの割合が多いドイツ。また、約半分はフレシュチーズ(熟成させずにすぐ食べるタイプ)というのもユニークです。チーズ作りが本格化したのは1960年以降。変わったところでは、1970年に生まれた「ガンボゾーラ」が有名。カマンベールのような白カビとゴルゴンゾーラのような青カビを持つもので、なるほど、名前も2つを足して2で割ったような感じですね。国内屈指のチーズエリアはバイエルン州で、全国のチーズの約3/4がここで作られています。有名なものにはスイスのエメンタールが元になった「アルゴイアー・エメンターラー」などがあります。
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