「今まで行った国で一番美味しかった国は?」――仕事柄、この質問を受けることがとても多いのですが、いつも答えに悩みます。同じ国でも美味しいレストランもあれば、イマイチな店もあるし、料理の味は人の嗜好によるところも大きい。それでも全体としてレベルが高く、多くの人の味覚を満足させると国となると、やはり定番のフランス・イタリア・ベルギー、そしてアジアの国々などに落ち着いてしまいます。

そこで今回は、上記のような定番を外した“意外に!? 美味しい国”の私的ランキングをご紹介。あんまり期待していなかったのに食べてビックリ! 実はそんな国も多いですよね。

それでは早速、第5位の発表です。
 

おすすめの海外料理 第5位:フィンランド

おすすめの海外料理ランキング5を紹介します
シーフードたっぷりのキャセロール(鍋)。体もじわりと温まる
 
かもめ食堂
映画『かもめ食堂』の舞台もフィンランド
2005年、フランスのシラク前大統領が「イギリス料理は、フィンランド料理の次にまずい」と発言して物議をかもしたことがありました。かつては美味しくないという声も多かったイギリス料理(もちろん実際には美味しいものもありますよ!)よりもまずいと言われてしまったフィンランド料理。いったいどれほどまずいのか? 当時のニュースを聞いて多くの人がそんな興味を持ったようです。

そんな先入観もあって、フィンランドの食にはあまり期待していませんでした。ところが実際に行ってみると、アレ? 意外に美味しい……。

たしかに繊細なソースを多用するフランス料理などに比べると派手さはありません。しかし、豊かな森と湖は上質の素材を育んでくれます。料理は基本的にシンプルですが、決して大味ではなく、味付けや盛り付けにはさりげないセンスが光っていました。シーフードはもちろん、トナカイやザリガニなどのユニークな食材の調理もお手のもの。ベリーが豊富に採れることでも知られ、肉料理にベリーのソースを添えるのも定番です。

ちなみに冒頭の「フィンランドはまずい」発言については、翌年ヘルシンキで開かれたアセム・サミットで披露した渾身のフィンランド料理で、無事に汚名返上となったようです。

続いては、第4位。インカ帝国の遺跡で有名な国といえば?
 

おすすめの海外料理 第4位:ペルー

ペヘレイ
チチカカ湖でとれたペヘレイ(トウゴロウイワシ科の魚)のグリル
“行ってみたい世界遺産”などのアンケートで必ず上位に名を連ねる「マチュピチュ」は、南米ペルーの山奥に浮かぶ謎の天空都市。壮大な歴史とロマンを感じさせるこの国に、グルメなイメージを抱く人は少ないかもしれません。

ペルー料理は派手さこそないものの、素朴な滋味に富んでいました。ペルー沿岸は南極からのフンボルト海流の影響で好漁場になっており、新鮮な魚に恵まれています。名物料理の「セビッチェ」は、新鮮な魚のレモンのマリネ。一口食べると、爽やかな潮の香りと酸っぱみが口いっぱいに広がります。
 
チチカカ湖
息をのむほど美しいチチカカ湖。湖に浮かぶタキーレ島から撮影
魚が獲れるのは海だけではありません。ボリビアとの国境にあるチチカカ湖は、なんと標高3,800m以上。ここで獲れるペヘレイなどの魚は、湖に浮かぶ島では重要な食糧になっていました。

8,000年も昔から栽培されているジャガイモも、ペルーのアンデス地域が原産地です。茹でたジャガイモにペッパー入りのチーズソースをかけた「パパ・ラ・ワンカイーナ」は代表的なペルー料理のひとつ。変わりダネとしては、クイ(食用モルモット)を使った料理も知られています。

続いては、第3位。エキゾチックなムードが漂う国です。
 

おすすめの海外料理 第3位:モロッコ

クスクス
名物のクスクス。野菜や肉などの具もたっぷり。店によって味付けは様々
 
サハラ砂漠
砂漠で食べる料理は驚くほど美味
悠久のサハラ砂漠やエキゾチックな街並みに惹かれて訪れたモロッコですが、料理の味も強烈に印象に残っています。

その理由は巧みなスパイス使いにありました。市場には必ずスパイスの専門店があり、料理にスパイスは欠かせません。多種多様なスパイスを使いますが、まったく辛くないのも特徴で、奥が深く濃い味が後をひきます。2大名物は、とんがり帽子型の蓋がついた土鍋で野菜や肉を入れて煮込む「タジン」と世界最小のパスタといわれる「クスクス」です。

最近では日本でもモロッコ料理を出す店が増えてきましたが、カラリと乾燥した現地の風土では、スパイスの風味の際立ちが違います。かつてはフランスの保護領であったため、美食大国フランスでもモロッコ料理は非常にポピュラーな存在です。

続いては、第2位。地球の裏側で見つけた美食国です。
 

おすすめの海外料理 第2位:アルゼンチン

ステーキ
人の数より牛の数が多い、なんていわれることもあるほど牛肉の消費量が多い
アルゼンチンは日本の7倍以上もの面積を持ち、実に多様な気候や風土を有しています。そのため食材も豊富にとれ、なんと90%以上の食料自給率を誇ります。

この国で必ず食べたいのは、世界一の消費量を誇る牛肉。「アサード」と呼ばれる炭火焼きが定番で、塩とコショウでシンプルかつ豪快に焼き上げます。焼き加減は絶妙で、ほどよい歯応えとジューシーな肉汁がたまりません。もともとはガウチョと呼ばれるカウボーイたちの料理でした。
 
タンゴ
情熱あふれるタンゴの都としても知られるアルゼンチン
近年は、200年の歴史を誇るアルゼンチンワインの人気も急上昇中。メンドーサ州などで造られる品種「マルベック」を使った赤ワインは肉料理と抜群の相性を奏でます。また人口の約80%をイタリア・スペイン系の人々が占めるため、イタリア料理の店もたくさんあります。

名物のタンゴを見ながら、食事やお酒を嗜むのも、この国ならではの粋な夜の楽しみ方です。

続いては、第1位。実は日本と非常につながりが深い国です。
 

おすすめの海外料理 第1位:ポルトガル

アロース・デ・マリスコ
シーフードのリゾット。魚介のダシをたっぷり吸い込み、おじやのような味わい
 
ポルトガル
どこをとっても絵になる街並みが続く
ユーラシア大陸の西の端にあるポルトガル。お隣のスペインはグルメな話題にのぼることも多いですが、ポルトガル料理の認知度はまだまだ低いよう。しかし、ポルトガルと日本のつながりは古く、ヨーロッパ人で初めて日本を訪れたのは16世紀に種子島に漂着したポルトガル人でした。カステラやタバコのようにポルトガル語がもとになっている日本語もたくさんあります。

そして実は、アジアをのぞく世界の料理で一番日本人の舌になじむのが、このポルトガル料理だといっても過言ではないかもしれません。魚や米など日本人におなじみの食材もよく使われ、素材の持ち味を活かした優しい味付けは、まるで食べ慣れた和食のように飽きのこないテイストです。

ポルトガルで最も有名な食材といえば、なんといっても「バカリャウ」(干しダラ)。365種類ものレシピがあるといわれ、ポルトガル人の食卓には欠かせません。日本人に好評なのは「アロース・デ・パット」、いわゆる鴨ごはん。滋味あふれる懐かしい味わいに、スプーンが進むこと必至です。
 

いかがでしたか? もちろん今回挙げた国のほかにも美味しい国はたくさんあります。今回のランキングはあくまで「意外性」がポイント(人によってはあまり意外に感じなかった国があるかもしれませんが……)。また、国ではなく都市でみると結果も変わってきます。みなさんもお気に入りの国や都市があればぜひ教えてくださいね。
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。