目黒川を挟んだ高台にお屋敷街
通り沿いにマンション

長者丸エリア
長者丸は上大崎2丁目の一部。地名としては残されていない
続いて、この街の住宅事情を見ていきましょう。ここには高低が大きく影響しており、山手線の内側の高台には花房山、長者丸といったお屋敷街があります。そこから駅周辺の繁華街をへて、地形は目黒川、併走する山手通りへと下ります。この間は通り沿いには飲食店や古いマンションなどが並び、坂の下には小規模な集合住宅や一戸建てなどが点在しています。

目黒周辺の住宅等の立地概念図

目黒周辺の住宅の配置概念図
目黒川、山手通りを挟んで両方に高台があり、それぞれ、一戸建てを中心とした住宅街になっている。マンションが多いのは、それ以外の幹線道路沿いなどになる


権之助坂
目黒駅から山手通り方面を見たところ。権之助坂は写真中央で合流し、下っていく
駅から権之助坂、行人坂(目黒雅叙園の前を通って山手通りに向かう坂)などを下り、目黒川を越えると、今度は上り坂になります。目黒通りの坂は金毘羅坂と呼ばれ、ゆうゆると上って平らな高台へ。このあたりでは通りから少し入ると大きな一戸建てを中心とした静かな住宅街になっています。

駅近くの都バス営業所
歩いていて気になったのが駅前にある都バスの営業所跡地。かなり広い場所だけに、今度どのように活用されるかが気になるところ
古くから開発されてきた地域だけに、すでに建物が建っている場所が多いのですが、そんな目黒で最新の話題は駅前の再開発です。10年前に最初にこの記事を書いた時には空地になっていた都バスの営業所跡などの土地を利用、オフィスビル1棟に2棟のタワーマンションが建設されたのです。分譲時には1億円以上の住戸が全661戸中365戸という設定にも関わらず、販売から約4カ月で完売したことがニュースになったほど。この開発により、オフィス、住宅が増え、目黒駅周辺で働く、暮らす人口は一気に増えます。それが今後の街によりにぎわいを与えてくれると考えると、目黒人気はしばらく衰えそうにはありません。
再開発

空地だった場所などを利用、再開発が行われた(2017年11月撮影)


ただ、それ以外の場所でのマンション供給はそれほど多くはありません。前出の花房山、長者丸などといった高台の地域は地価が高く、マンション建設には厳しい条件が付く用途地域のため、規模の小さな高額物件が中心となっています。長者丸では2億円、3億円という中古物件もあるほどです。

築20年、30年でも人気
山手線内でも高額のエリア

山手通り沿い
山手通り、中目黒方向を見たところ。両側にはマンションが建ち並んでいるが、中にはかなり古いものも
新築以外で大規模なマンションが立地するのは、目黒通り、山手通りに集中していますが、築年数はかなり古めで、昭和40年代、築年でいえば、30年以上という物件も少なくありません。

古い物件でも人気は高く、価格も高め。2017年10月に公表された東京カンテイの沿線・駅別の中古マンション価格を見ると3.3m2で304万円となっており、60m2で考えると、5700万円くらいという計算になります。さらに、これが一戸建てになると、予算は1億円以上から。それでも、かなり難しいと思っておいたほうがいいでしょう。


目黒駅のバスターミナル
目黒駅からは三軒茶屋や大岡山方面などバス便が多数発着する
賃貸ではワンルームマンションが9万円~。2DKになると10数万円以上。ただし、駅から距離のある、バス便利用、あるいは歩いて15分以上になると、7~8万円のワンルームなども探せます。

目黒という駅名ながら、駅が品川区にあるのは有名な話ですが、このあたりは品川区と目黒区が入りくんでいます。大ざっぱにいえば、山手線の内側は品川区で、外側は目黒区ですが、駅周辺は外側でも品川区。自治体が違えば、提供されるサービス、利用する庁舎なども異なってきますので、場所を選ぶときにはどちらの区民になるのかを気にしておきましょう。特に子どものいる家庭にとっては、施策の差をチェックしておきたいところです。

物件価格、家賃ともに高水準ながら、人気の街、目黒。足回りだけではない魅力は駅を離れて歩いてみればすぐに分かります。関心のある方はぜひ、余裕を持って訪れてみてください。

*2007年6月の記事に加筆、修正。

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