同居のスタートは、息子夫婦同居が先・娘夫婦同居が後
同居の理由につづき、「同居をはじめた時期」についてまとめたのが、以下のグラフとなります。いかがですか?娘夫婦同居の開始時期が相対的に遅くなっている傾向がわかります。 これは、先の「同居の理由」と合致した現象と言えるでしょう。「同居は当然」「結婚して新居が必要」という回答が特徴的だった息子夫婦同居の場合、結婚直後からの同居が30%、5年以内には50%を超えています。それに対し、「親の老後」「子供の成長」という娘夫婦同居は、5年以内でも約35%の同居となり、比較的遅い時期に同居をしています。やはり、娘夫婦同居の方が「心配事が具体的になってから同居する」という合理的なスタンスがうかがえると言えます。
期待されない“マスオさん”が一番?
では最後に、同居の親世帯に「子世帯に何を期待するか?」をたずねた結果をご紹介します。息子夫婦同居・娘夫婦同居それぞれに、実の子とその配偶者に期待することを答えてもらっています。息子夫婦同居の実の子とは=息子・その配偶者=嫁。娘夫婦同居の実の子=娘・その配偶者=婿となりますので、表中では分かりやすいように【息子・嫁・娘・婿】と表記させて頂きました。同居の子世帯に何を期待しますか?
同居形態別に見ていくと、息子夫婦同居の場合「話し相手」と「経済的扶養」以外の項目では、配偶者である“嫁”への期待が、実の子の“息子”より上まわっています。それに対し娘夫婦同居は逆で、実の子(娘)への期待が高く、その配偶者である“婿”への期待が少なくなっています。
また、全体で比較した場合も然りです。4人を比較し、数値が最も高いのを赤、低いのを青としました。この数値から...娘夫婦同居の“娘”に対する期待値が一番高く、娘夫婦同居の“婿”が一番低いということになります。この結果、どうお感じになりますか?性別が大きく影響しているとは思いますが、なかなか面白いアンケート結果ではないでしょうか?
娘夫婦同居のように、実の子に期待している方が、必然的に揉め事も少なくて済むと思われます。また、もともと期待値が低い“婿”いわゆる『マスオさん』ならば、たとえ同居していてもかなり気楽であると言えるのではないでしょうか?このデータから読み取る範囲では、期待は高くても娘夫婦同居の方が現実的には気楽であると言えそうですね。
【参考データ】二世帯同居の意識変化調査より抜粋
いかがでしたか?やはり息子夫婦同居に求めるものと娘夫婦同居に求めるものは、違うと言えるでしょう。先回の記事「親が子との同居に踏み切る理由」でもとりあげましたが、実の娘が同居の場合には、老後の面倒に対する期待が息子夫婦よりも高くなっていることがうかがえます。 現実的にも、身の回りの世話や介護など、実際に動くのはやはり女性である「娘or嫁」が主流となります。そんな背景からも、実の娘と同居する「娘夫婦同居」は、より理想的な二世帯同居の形なのかもしれませんね。
【参考記事】
入居宅訪問リポートVol.2【娘夫婦同居】
母娘結束!共働きの二世帯生活
二世帯住宅のメリット・デメリット
理想形?実の母娘同居
二世帯住宅プランニングのコツVol.2
同居の相手で異なる良い間取り