前回の同居と介護(2)では、同居家族の在宅介護に備えた家造りのポイントとして、【1】独立した介護室の備えによって訪問介護バリアをなくすこと、【2】玄関のバリアフリー化によって通所介護のバリアをなくすこと、の2点をお話ししました。今回は、車椅子になった場合を想定し、備えるべきことについてご紹介します。車椅子は同居家族による介助を楽にするだけではなく、高齢者自身が自分で移動するときにも大きな助けになります。


車椅子対応にはさりげなく備えよう

当研究所の調査では、75歳以上であっても、歩行器や車椅子を利用されている方の比率は1割程度です。手摺や杖を利用すれば歩ける人が8~9割を占め、老いても必ず車椅子に乗る事になるわけではありません。現状の家が車椅子を想定していないため、使いたくても使えないケースもありますが、車椅子を利用する確率はそれほど高い訳ではなく、大掛かりな備えは非現実的でしょう。 しかし、親子同居の経験者を対象とした調査では、親世帯が亡くなるまでに子世帯の7割以上が介護を経験していた、というのも残念ながら事実です(下図) 。高齢者医療や介護施設不足の問題が話題となり、在宅介護へ急速にシフトしていくこれからの時代において、親世帯が高齢期に最大限自立して暮らすことができ、子世帯の介護の負担を減らせる、車椅子対応にさりげなく備えた二世帯住宅とすることは大きな安心になる、といえるでしょう。
■同居家族の介護経験
■同居家族の介護経験
資料提供:二世帯住宅研究所
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では、車椅子に対応するためはどうすればいいのでしょうか。次ページから具体的にご説明します。