文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
二世帯同居の心配のひとつとして「子供の教育への干渉」をあげる方も多いかと思います。確かに、別居していても親世帯からは「昔はこうしたものよ!」「今の親は甘いから...」など、子供の育て方について意見をされることはありますよね。それが二世帯同居となれば、さらに意見が対立することがあるのでは?と思うと腰が引けるかもしれません。

そこで今回は、二世帯住宅研究所で以前行った「祖父母と孫の関係―居住形態による比較調査」から、孫の育児・教育について抜粋してみました。親世帯からみて、子世帯の子育てについてどのように感じているのか、自分達が注意していることは何か?など、親世帯の本音をみてみましょう。

【調査概要】
親世帯となる祖父母・約1500名を対象にアンケートを実施。その結果を「べったり同居」「二世帯同居」「別居」に分類し、居住形態によりどのように考え方が異なるのかを比較しています。


孫の教育「遠いほど満足、近いほど不満」

まずは、親世帯が子世帯夫婦のしつけや教育に対して「どのように感じているか?」その満足度を尋ねてみました。

子世帯夫婦の育児・教育に対する満足度
子世帯夫婦の育児・教育に対する満足度
資料提供:二世帯住宅研究所
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「非常に満足している」「どちらかといえば満足している」と答えた祖父母が圧倒的に多いものの、とりわけ別居している祖父母の満足度が高く出ました。一方、「不満」と答えた祖父母は同居の方がやや多く、やはり身近で見ていると、子世帯のしつけや教育に不満を感じる機会が増えてくるようです。


子世帯に対する評価はやはり...「甘い」

次に、祖父母の子育て時代と比べて、現在の親が子どもに対する接し方を評価してもらいました。親世帯は子世帯のことをやはり「甘い」と見る傾向にあるようです。

子世帯夫婦の育児・教育に対する評価
子世帯夫婦の育児・教育に対する評価
資料提供:二世帯住宅研究所
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居住形態にかかわらず、半数以上の祖父母は「甘い」という認識ですが、特にべったり同居では1割以上多くみられました。逆に「以前より厳しくなった」は居住距離が離れるほど増えています。一緒に暮らしている祖父母からみると親の甘やかしが目につき、離れて暮らす祖父母からは親の厳しさが気になるというのは、面白い傾向です。

おそらく、同居の祖父母の場合は、孫の生活面や倫理面で親の甘さが気になり、別居の祖父母の場合は、教育ママとしての親の厳しさが気になる、といった次元の異なる評価とみたほうがよいのではないかと思われます。


子世帯からの注文は「甘やかさないで!」

では、孫との交流にあたって「子世帯夫婦からどんな注文を受けているか?」を尋ねてみました。

孫の育児・教育についての子世帯の注文
孫の育児・教育についての子世帯の注文
資料提供:二世帯住宅研究所
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居住形態別で目立った点は「甘やかさないでほしい」がべったり同居でやや多かったこと。べったり同居の場合は、日常的に孫と交流する機会が多いため、子世帯からの注文も全般に多くなるようです。全体の傾向としても、甘やかしと干渉を嫌う子世帯が多く、「もっと可愛がってほしい」「もっと世話をしてほしい」などの注文を求められている祖父母はほとんどいませんでした。

全体の傾向としては「注文は特にない」の回答がどの居住形態でも半数以上を占めていたように、祖父母にあれこれ注文する子世帯自体が少ないようです。

また親世帯から見ると子世帯が「甘く」見えているのに、子世帯からは「甘やかさないで」という注文が一番なのが、なかなか面白い結果ではないでしようか?
お互い、相手のことは冷静に見れるということですかね?


次ページでは、子世帯との関わり方についてご紹介していきましょう。