祖父母が感じる同居の影響も“思いやり”
以上のように、子ども(孫)達は、祖父母との交流によって影響を受けている様子が伺えます。そこで今度は祖父母に「三世代同居が孫の成長にどのような影響を与えるか?」について尋ねてみました。Q:お孫さんと一緒に暮らすことは、お孫さんの成長にどのような影響を与えると思いますか? (全体結果・複数回答) |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
やはり「高齢者や弱者に理解」が一番高く、祖父母の存在を通して孫が自然に理解を深めることを評価していました。祖父母と一緒に暮らすことで、高齢者や弱い人への優しさが育まれることは、どちらの回答からも期待できるようですね。
別居している子ども(孫)達と会う頻度が少ない日本
では、いったい祖父母と会う頻度はどの程度なのでしょう。同居形態別の結果が以下となります。Q:おじいちゃんやおばあちゃんと現在、どのくらい会っていますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
当然ですが、同居か否かにより大きな差がでています。しかし、別居の場合を見る限りでは、かなり会う頻度が少ないのではないでしょうか?ちなみに、諸外国と日本を比較した結果をご覧下さい。
別居している子との接触頻度・国別 |
総務庁「老人の生活と意識に関する国際比較調査」より ※グラフをクリックすると大きくなります |
日本と、アメリカ・イギリス・ドイツなどの欧米諸国と比べると歴然たる差があり、日本がとても少ないのがお解り頂けるかと思います。欧米では、離れて暮らしながら活発に交流するという生活文化を持っています。それに対し日本は、今でも盆暮の里帰りや冠婚葬祭型が主流というのが原因と思われます。この点については、もう少し考え方を変えていく必要があるのかもしれませんね。
以上、祖父母が子ども(孫)達に与える影響をみてきましたが、祖父母との交流は子ども(孫)達にとって少なからず影響を与えています。特に、高齢者に対する接し方を自然に学ぶことは、子ども(孫)達のためにも良いことだと思われました。
しかし別居の場合、祖父母と会う頻度はかなり少なくなっています。確かに昔のような大家族同居は少なくなりましたが、できるだけ祖父母との交流を心がけたいものです。個々の生活を大切にしながらも、現在の家族感にマッチした交流文化を創り出すよう心がけていくことが、今後の課題と言えそうです。
【関連記事】
家族がつながる二世帯・多世帯の暮らし実例はこちら
祖父母と孫は両思いor片思い?
孫の教育に干渉するorしない?