文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
もうすぐ敬老の日です。日頃いろいろとお世話になっている祖父母にも、感謝の気持ちを表したいものですね。そんな祖父母にとって、かけがえの無い存在なのが“孫”です。孫のおかげで、気持ちや行動が若返ったり、生活にハリが出たとおっしゃる方も多いようです。そこで今回は、祖父母と孫の関係に焦点をあててみました。同居形態によりお互いに対する思いがどう違うのか?小学4年生~中学3年生とその祖父母を対象に調査した結果から、抜粋してお届けします。
【調査概要】
首都圏に住む小学4年生~中学3年生約1,100名と、その祖父母・約1500名を対象にアンケートを実施。その結果を「べったり同居」「二世帯同居」「別居」に分類し、居住形態によりどのように考え方が異なるのかを比較しています。
孫から思われたいこと~別居は「好意」・同居は「敬意」
まずは、祖父母の気持ちからみていきます。「孫に対してどのような存在でありたいか」を尋ねた結果が以下となります。Q.あなたはお孫さんに対しては、どのような存在でありたいと思いますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
居住距離が近いほど「威厳のある人」の回答が多く、居住距離が離れるほど「やさしい人」が多くなっています。これは、交流頻度の高い同居の場合「やさしくしてばかりはいられない、時には威厳を示さなければ」と感じる祖父母が多く、交流頻度の低い別居では「まず孫に好かれること」を最優先させている祖父母が多いということでしょう。
こうした回答傾向は逆にみれば、同居の場合は孫から「敬意」が得られない、あるいは「軽意」で扱われた経験を持つ祖父母が存在するためではないかと思われます。祖父母の気持ちを慮り、気をつけたいものですね。
孫に「好かれていると思う」祖父母は8割超
続けて「孫から好かれていると思うか」を尋ねた結果です。4段階で評価してもらった結果がこちらです。Q. あなたはお孫さんから好かれていると思いますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
大多数の祖父母は、「孫から好かれている」と答えていました。しかし、細かくみていくと、同居の祖父母の場合は「非常に好かれている」が少なく、「好かれていない」が多いという傾向があります。やはり、日常的な交流頻度の高い同居の場合は、お互いの性格や行動の短所を知ってしまったり、孫とちょっとした衝突を起こしたりすることがあるので、このような傾向が現れているといえるのではないかと思われます。
では、実際に“孫”たちは、祖父母のことをどのように思っているのでしょうか?次ページでご紹介していきたいと思います。