別居の孫ほど高い、自立度・家事協力度
では、祖父母との交流は、子ども(孫)達の行動や性格タイプの形成にどのような影響を与えているでしょうか。まずは、孫の生活スタイルにどの程度影響を与えているかをみるため、日常の生活スタイルや嗜好に関する4項目について尋ねてみました。以下の結果をご覧下さい。Q:あなたのふだんの生活について、あてはまるのはどれですか?(「はい」と答えた人の割合、複数回答) |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
朝食についての設問から、同居・別居による食事の習慣への影響はまったくないと言えます。しかし「梅干しや漬け物が好きである」の設問から、同居の子ども(孫)に伝統食を好む子がやや多く、食の嗜好では祖父母の影響が若干みられました。
また「布団の上げ下ろし」「家事の手伝い」の結果から、自立度や家事協力については、別居の子は同居の子に比べて、明らかに高くなっていました。同居の子が低い傾向にあるのは、両親だけでなく祖父母も含め、誰かしら家事をしてくれる人がいるためと考えられます。子ども(孫)達の方も、祖父母が居るとつい甘えてしまうということでしょうか?
同居の孫ほど、高齢者や弱者に対する思いやりは高い
続きまして、子ども(孫)達が高齢者や弱者、家族や友人などに対してどの程度の思いやりを持つか?について尋ね、祖父母の影響を探ってみました。その中から以下の2つの結果を抜粋してご紹介します。Q:電車やバスの中でお年寄りに席を譲る (「はい」と回答した割合) |
Q:横断歩道や階段で身体の不自由な人に手を貸す (「はい」と回答した割合) |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
若干ですが同居の子ども(孫)ほど、実行している割合が多くなっている傾向がみられました。祖父母の存在を過大に評価することはできませんが、身近に祖父母がいることは、高齢者や弱者に対する子どもの思いやりや優しさを育てる上で良い影響を与えているといってよいでしょう。
◇二世帯住宅研究所の書き込みより
●40代男性 曾祖母が入院したとき、一人でお見舞いに行き手を握って話をしていた息子の様子を聞いたときは、計り知れない喜びがありました。 |
親としても、子どもがこのように優しく育ってくれることはうれしいことです。同居・別居にかかわらず、祖父母の存在が子ども達に“優しい気持ち”を芽生えさせてくれるのかもしれませんね。
では祖父母の意見はどうなのでしょうか?次ページでご紹介します。