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二世帯住宅で暮らす/【提案】二世帯住宅の間取り・プランニング

親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(4)(2ページ目)

前回までは床や世帯間建具の遮音について書いてきましたが、今回は、、壁は床よりも遮音上は不利と言われる壁の遮音性についてです。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
松本 吉彦

執筆者:松本 吉彦

二世帯住宅で暮らすガイド

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2.物入れをはさむ

壁一枚での遮音には限界があるので、実際のプランではよく物入れを世帯間にはさむように設置します。壁1枚に比べて、物入れという大きな「中空部分」を確保して設置されることで、遮音性を向上させる効果が期待できます。物入れ建具単体での遮音性はそれほど大きなものではありませんが、中空部分が充分確保されると間仕切壁を通り抜けた音が中空部分で一部吸収され、物入れ建具で少し音量が下がります。この分、壁一枚の場合に比べ、遮音性が有利になります。同様の考え方で、納戸や使用頻度の少ない部屋をはさむことで実質的に遮音性を上げる方法もよく使われます。
遮音イメージ
物入れを挟むことで、遮音性が上がります。


3.間取りでの工夫

このように様々な工夫をして遮音性を高めても、音が小さくはなるものの、壁一枚では限界があります。従ってどこでどのような音が発生するかを考慮し、隣同士が問題のない組合せを考えることも必要となります。上下階遮音の際に水回り同士を重ねたように、水回り同士を隣接させたり、特に親世帯の寝室の周囲に子世帯の水回りを隣接させないといった配慮が間取りに必要です。音の発生源は浴室、トイレ、洗濯機のような水回りのほかに、TVや椅子を引く音、建具の開閉音など様々な種類があります。音の発生源という意味で重要なのが階段です。階段は昇降の際の足音が大きく、特に降りる場合に音が響くことがありますが、歩いている本人はあまり意識しないことが多いため見落とされやすいのではないでしょうか。


二世帯の世帯間では、ピアノ室のような遮音性が要求されることはありません。ピアノ室等では場合は壁厚を通常の倍以上(30cm程度)としたり、部屋の中にもう一つ部屋を作るような感覚で設計されるケースがありますが、世帯全体をそのレベルで遮音することは実際には難しいと思いますし、その必要もないでしょう。ただ、ピアノ室はピアノを弾かなければ音がしませんが、二世帯の遮音で問題になるのは日常生活そのものに関する音なので、音をさせないことは不可能です。二世帯住宅にとっては、発生する生活音を考えながら間取りを設計し、必要に応じて遮音対策をしていくことがとても重要と思われます。

【関連記事】
 親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(1)
 親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(2)
 親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(3)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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