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二世帯をつなぐインターホンシステムですが、同居スタイルにより必要な機能も異なるものです。では、様々なシステムをご紹介しましょう。 |
今回より、「親子両世帯を分ける知恵、つなぐ知恵」と題して二世帯住宅ならではのプランや設備の工夫について書いていきたいと思います。まず最初にインターホンを取り上げたいと思います。インターホンは門や玄関に設置される「玄関子機」を訪問者が押すと室内の「親機」「副親機」の呼び出し音が鳴って応対ができることが基本的な機能ですが、室内の「親機」と「副親機」の間で通話することもできます。二世帯の場合、どの範囲で呼出音を鳴らすか、どの範囲で通話するか様々な構成が考えられます。これは二世帯の同居スタイル、すなわち夕食が別々か、一緒かで違ってきます。それでは、ご紹介しましょう。
夕食が別々の場合
まず、玄関が2つある独立二世帯でのインターホンについて考えてみましょう。共用二世帯でも門に表札を2つ掲げるのであればそれぞれの表札の脇にインターホンを付けることになると思いますので、基本的に独立二世帯と同じ考え方でいいと思います。
■各世帯に単世帯用インターホン:各世帯独立したシステム
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各世帯に単世帯用のインターホンを設置する方法は、独立性の高い住まい方が可能 |
まず考えられるのは、各世帯に単世帯用のインターホンを設置する方法です。世帯ごとに独立したシステムのため、自分の世帯内では他の世帯への呼出音は鳴らず、マンションの隣同士のようなイメージで独立性の高い住まい方が可能です。しかし、親子二世帯の場合、世帯間で連絡したい場合や、留守の時に他の世帯で応対してもらいたい場合もあるのではないかと思います。その場合は、次の「独立二世帯用インターホン」が良いでしょう。
■独立二世帯用インターホン:世帯間の連絡、留守時の転送が可能
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独立二世帯用インターホンは、世帯間の通話・留守時の他世帯転送ができる |
単世帯用を2セット設置するのと比べた場合の二世帯用のインターホンシステムの特徴は、1)世帯間の通話ができること 2)留守時に玄関子機からの呼出しを他世帯に転送できること の2点です。それぞれの世帯の親機からは世帯内の副親機に通話できるのはもちろん、必要に応じて他の世帯とも通話することができます。また、在宅中はそれぞれの世帯内でしか玄関子機の呼出し音は鳴りませんが、留守時は転送ボタンを押しておくと、他の世帯でも鳴るようになり、留守時の応対を代わってしてもらうことができます。
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独立二世帯インターホンは、留守時に他の世帯で鳴るように切替え可能 |
夕食が一緒の場合
次に両世帯で集まって夕食をとる融合二世帯の場合を考えてみましょう。ひとつの場所で夕食をとるのですから、少なくともそのダイニングルームでは両世帯の呼び出し音が鳴る必要があります。つまり独立二世帯とは違って、一方のインターホンは他方の世帯では鳴らない、というシステムでは不都合です。
■単世帯用
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単世帯用のインターホンシステムでは、どちらの世帯の来訪者か区別できない |
単世帯用のインターホンシステムで、副親機を増設していくことで、部屋数が多い大きな家にも対応することができます。玄関子機からの呼出音は全ての副親機で鳴り、一番早く取った人が応対することになりますが、大きな家になると他の家族の様子がわからず対応しづらい面もあると思います。
■融合二世帯用インターホン:玄関子機が2つ
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玄関子機を2つにし、それぞれの呼び出し音を変え、どちらの世帯への来訪であるか分かるようにできる |
夕食が一緒とは言っても、世帯別にいろいろのものが届いたり、訪問者があったりする場合、どちらの世帯宛てなのか、どちらのお客さんなのかが分かるほうが便利でしょう。融合二世帯に多い娘夫婦同居世帯では苗字も違いますから、表札を2つ掲げることが多く、その場合はインターホンも2つ欲しくなります。玄関子機を2つにして、それぞれの呼び出し音を変えれば、どちらの世帯への来訪であるか分かるようになります。独立二世帯用と異なり、家中のインターホンが一斉に鳴りますのでどこにいても応対が可能です。