前回までは床や世帯間建具の遮音について書いてきましたが、今回は壁の遮音性についてです。以前申し上げた通り、壁は床よりも遮音上は不利となります。そこで、どのような対応ができるのか、詳しくお伝えします。


1.間仕切壁は重ね貼りに

遮音間仕切り
限られた厚みの中で遮音シートを用いた遮音間仕切り壁の構成
間仕切壁の遮音性についても、重く、丈夫で中空部分が大きい方が有利、という原則は床と変わりませんが、問題は壁の場合床よりもはるかに薄い10数cmの寸法の中でそれを実現しなければならない、という制約にあります。一般に行われるのは、表面の石膏ボードに鉛シートを加えたり、2枚重ねにして重くするとともに、中空部分に吸音材を詰める方法でしょう。さらに壁下地を表裏で分離し、壁自体を2枚作って振動を伝わりにくくすることも行われていますが、壁厚が厚くなりプランニングにはかなりの制約が出てきます。
遮音壁
壁の2枚貼りや壁下地の分離で遮音性は向上する

また内部で行き来ができない二世帯住宅については、世帯間の壁の性能が建築基準法で規定されており、所定の耐火性能、遮音性能を確保しなければなりません。この壁を「界壁(かいへき)」と呼びます。通常の間仕切壁と異なり天井裏にまで壁が伸びていること、表面ボードの二重貼り等所定の耐火性と遮音性が確保できる仕様が求められます。

また、壁がある程度の防音性になると、天井や他の部屋から回り込む音のほうが大きくなってしまう場合があります。回り込み経路となる建具や壁、天井の遮音対策も合わせて考えていきましょう。
遮音壁イメージ
天井裏の火や音の回り込みを防ぐ界壁