前回は「孫共育・家事分離」という、協力と分離とが相反する課題を「孫共育ゾーニング」で解決するプランニングについて書きました。今回は、「孫共育・家事融合」という、より協力を重視した二世帯のプランニングについて書いていこうと思います。

家事分離と家事融合では何が変わるか

「孫共育・家事融合」といった同居志向については、以前「新しい傾向!家事融合による共働きスタイル」の際に書きました。子供の世話や夕食の準備などを親世帯が受け持って子世帯の共働きを支える生活の中で、洗濯などが別々になるケースが存在すること、そして生活が融合するほど自分ひとりになれる居場所が重要になることがポイントでした。

「孫共育・家事分離」と、「孫共育・家事融合」のプランの考え方の違いを比べると、共通する孫共育の部分に加え、家事融合が加わって両世帯の共用部分が多くなり、それに対応して寝室を中心とした各世帯専用部分に居場所を確保していく、という考え方に整理できるかと思います(図1)。


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【図1】孫共育・家事分離と家事融合でのプランの考え方の違い



娘夫婦同居は子世帯夫に配慮したプランに

「孫共育・家事分離」が息子夫婦同居に多い同居スタイルなのに対し、「孫共育・家事融合」は娘夫婦同居に多いスタイルといえます。娘夫婦同居の場合は夕食の準備だけでなく、夕食が一緒となる場合も多くなります。息子夫婦同居の場合は、血縁ではなくお嫁さんである子世帯の妻に配慮して「家事分離」という考え方になるのですが、娘夫婦同居の場合、お婿さんの立場の子世帯夫に配慮した工夫が重要になります。

子世帯夫の生活リズムを調べてみると、息子夫婦同居・娘夫婦同居に関係なく子育て期の特徴として帰宅が遅い、ということが挙げられます。21時以降の帰宅となることも多く、夕食時間が週3日以上他の家族とずれているケースが2/3に達しています(図2)。つまり子世帯の夫はひとりで別に食事をするケースが多い、ということになります。このような場合の食事場所を、他の家族の夕食が一緒で子世帯専用のリビングがある人に限定して尋ねてみると、娘夫婦同居では共用や親世帯のスペースを避け、子世帯専用のスペースを食事場所とするケースが約7割に達し、息子夫婦同居の場合と大きく異なる傾向を示しました(図3)。

【図2】夫と他の家族との夕食時間のずれ

【図2】夫と他の家族との夕食時間のずれ
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【図3】夕食時間がずれたときの夫の食事場所(夕食一緒で、子世帯リビングありの場合)

【図3】夕食時間がずれたときの夫の食事場所(夕食一緒で、子世帯リビングありの場合)
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子供と一緒の食事なら親世帯と一緒の食事でもいいのですが、自分ひとりの食事を親世帯や共用のスペースですることにはお婿さんの立場では抵抗があるのだと思います。このような傾向に配慮すれば、子世帯に補助的な食事の場所を設けることが必要なのではないかと考えられます。
それでは、次ページでこれらの条件を具体的なプランに反映させてみましょう。