栄養管理/メタボ予防・減量したい人の栄養管理

メタボリック症候群を蕎麦で予防!(2ページ目)

メタボリック症候群では内臓脂肪蓄積、血圧、血糖値、脂質代謝異常が問題です。マグネシウムにはダイエット効果はありませんが、メタボリック症候群を予防します。蕎麦でメタボリック症候群を予防しましょう。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

マグネシウムの効果

マグネシウムの効果について簡単に説明します。一時流行ったにがりダイエットにがりは塩化マグネシウムの事ですが、残念ながらマグネシウムのダイエット効果については否定されています。

しかし、マグネシウムには血圧を下げる作用があるのです。(高血圧の治療に使えるレベルではないのが残念ですが…)

糖代謝に関しては、糖尿病の患者ではマグネシウムの血中濃度が低い事が50年以上前から知られていました。当時は糖尿病の症状の多尿による消失の結果として説明していました。その後、糖尿病患者にマグネシウムを投与する研究が行われました。糖尿病の結果と思われていた低マグネシウムを改善すると糖尿病の病態が改善される事がわかりました。すなわち血糖の低下に伴い脂質代謝が改善されて中性脂肪も低下する事が判明しました。

糖尿病を発症してない人では食事からのマグネシウムの摂取が多いと糖尿病(2型糖尿病)の発症が少ない事も分かっています。


メタボリック症候群への効果

アメリカの報告ですが、マグネシウムの摂取とメタボリック症候群の関係について、20代の成人を15年間追跡したものがあります。(当然ですがメタボリック症候群の診断は、米国の基準です。)

これによると、マグネシウム摂取が多いほど、メタボリック症候群の診断基準となる、腹囲、血圧、中性脂肪、HDL-コレステロールの各項目において良くなる結果となりました。

マグネシウムの摂取が多い食生活を送っていると、メタボリック症候群になりにくいのです。


蕎麦からマグネシウムを取ろう

蕎麦
年越し蕎麦には結果的に根拠があったんですね。
マグネシウム源として、家庭でも外食でも手軽に食べられ、保存ができ、季節性がなく、高価ではないという条件を満たす食品はなんでしょうか? それは蕎麦です。

蕎麦は外国の調査では登場しない食品ですが、熱量は、米や麦とあまり変わりない一方、100g当たり、190mgものマグネシウムを含みます。マグネシウムの必要量は1日300-400mgですので、1日分のマグネシウムの半分が1食で補えるのです。また、良質な蛋白質を米、麦の2倍含んでいる他、抗酸化作用があるポリフェノールのルチンも含んでいます。

メタボリック症候群予防には、年越し蕎麦だけではなくて、1日1食蕎麦はいかがでしょうか?


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