クエン酸で痩せるってホント?

最近、ダイエット目的のクエン酸製品が出回っておりますが、本当にクエン酸でダイエットが可能なのでしょうか?今回は、クエン酸とはどのように体で働くのか、クエン酸はダイエットに本当に効くのか、クエン酸にまつわるウソホントを検証してみようと思っています。


クエン酸の効果は数時間持続します

クエン酸でダイエットは可能か?
クエン酸でダイエットは可能なのでしょうか?
食品がカラダにどのように働くか検証するときに、まず問題にしないといけない事は摂取後にカラダが吸収するかどうかという事です。吸収するかどうかを検証するためには、血液中濃度を測定できないと確かめる事ができません。

幸い、今回取り上げるクエン酸は簡単に測定できる物質です。

医薬品になっているクエン酸製剤の添付の文章では、クエン酸を飲んで約30分ぐらいで血中濃度が一番高くなり、その後数時間で元の濃度に戻ります。ですから飲んで直ぐに効果が始まり、それは数時間続く事になります。


クエン酸は細胞内へ

クエン酸は摂取されると血液中から細胞内に入って行きます。細胞内に入ったクエン酸は、どのように働くのでしょうか?

クエン酸は細胞内の
  1. 細胞質(細胞の核をのぞいた部分)
  2. ミトコンドリア(これ自体は細胞質にあります)のクエン酸回路の間
で動いています。


クエン酸はダイエットの敵?

良く見かける宣伝文句にクエン酸はクエン酸回路を活性化するというのがありますが、本当なのでしょうか?

細胞でエネルギーの元となるのは<ブドウ糖>と<脂肪酸>です。
  • ブドウ糖:細胞質(解糖系)でエネルギーとなります。
    ⇒クエン酸は、ブドウ糖からエネルギーが作られるのを抑制する作用があります
     
  • 脂肪酸:ミトコンドリア内に入ってエネルギーとなります。
    ⇒クエン酸は脂肪酸がミトコンドリア内へ入るのを抑制する作用があります

ブドウ糖と脂肪酸が良く燃焼すればエネルギー消費が上がることになります。このとき、クエン酸を飲まなくても、ミトコンドリアでたくさんエネルギーを作ると、ミトコンドリアからクエン酸は細胞質に出て来ます。

ミトコンドリアでのエネルギーの作り過ぎを調節するための機構として、細胞質のクエン酸が増加すると、結果的にミトコンドリアでのエネルギーの産生は低下します。なので、結果的にクエン酸はダイエットの敵になります。


クエン酸は脂肪酸の元!
クエン酸回路を活性化する事は、期待できそうにありません…

クエン酸ではクエン酸回路を活性化することが、期待できそうにありません…
クエン酸ではクエン酸回路を活性化することが、期待できそうにありません…
クエン酸の上昇はエネルギー産生を抑制してしまいます。そのためにクエン酸を分解するしくみがあります。

このしくみは(後で述べるように)血液をアルカリ性にします。それとは別に分解せずに細胞質のクエン酸濃度を下げる経路も必要です。細胞質の過剰なクエン酸はミトコンドリアに入るよりも脂肪酸の材料となると考えられています。細胞質のクエン酸が下がると脂肪酸のミトコンドリアへの取込みがまた元に戻ります。これも体の恒常性を保つ機構です。

よって、飲んだクエン酸がミトコンドリア内のクエン酸回路を活性化する事は、残念ながら期待できそうにありませんね。


クエン酸は疲労物質の乳酸を消去する?

クエン酸が疲労物質の乳酸の消去を速めるという報告があります。

この実験は、乳酸が血中に蓄積するような無酸素運動を一定時間した後に、<ブドウ糖>だけと<ブドウ糖+クエン酸>を飲んだ場合に血中の乳酸濃度の減少に差があったという実験です。

乳酸が蓄積した状態でクエン酸だけを飲んだ実験ではありません。乳酸が蓄積していない状態でクエン酸を飲んで乳酸がさらに除去されるという実験ではありません。


痛風の方はクエン酸に注目した方が良さそうです

痛風の原因物質である尿酸は酸なのでアルカリによく溶けるというのは理解していただけると思います。クエン酸は酸ではないかといわれそうですね。実はクエン酸塩が分解すると血液はアルカリ性となります。次に体の恒常性を保つために尿がアルカリ性となります。アルカリ性の尿に尿酸がたくさん溶けるので尿酸の排泄が増加して原因物質の血中の尿酸値が低下します。

結局、クエン酸は痛風には良くても、ダイエットや日常的な疲労回復には効果はなさそうですね。

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