栄養管理/乳児・幼児・子供の栄養管理

離乳食中期、完了期までもう一歩(7~12ヶ月)

離乳食の開始時は、どろどろ、ポタポタ状の食事がメインでしたが、7~8ヶ月頃から舌でつぶせる硬さ、9ヶ月頃から歯茎でつぶせる硬さと、少しずつ離乳食が進んでいきます。離乳食の完了までもう一歩です。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

離乳食と母乳・ミルクの頻度

これまでは母乳・育児用ミルク(以下ミルク)がメインでしたが、食事がメインになっていきます。7~8ヶ月くらいは1日2食+母乳・ミルク(母乳は欲しがるだけ、ミルクは1日3回程度)、9ヶ月くらいからは1日3食+母乳・ミルク(母乳は欲しがるだけ、ミルクは1日2回程度)が目安だとされています。


7ヶ月

7ヶ月の頃。つかむとすぐにつぶれる、舌でつぶせるくらいの軟らかいお芋。

離乳食の硬さの目安

7~8ヶ月は舌でつぶせる硬さ、9ヶ月頃からは歯茎でつぶせる硬さが目安とされています。あくまで目安なので、ベビーによって個人差はあります。


9ヶ月

9ヶ月の頃。フォークでつぶせる軟らかさのブロッコリーと軟らかい麺。

いつまでもモグモグしていたり、モグモグした後にぺっと食べ物を口から出せば、まだ硬すぎるのかもしれません。昨日はだめでも、今日は大丈夫ということもあるので、あんまり神経質になることはないと思います。




子供用

10ヶ月の頃。刻んだお肉、芋の煮付け、インゲン豆の刻み。写真でみると分かりませんが、別々の味が付いてます・・・。

舌でつぶせる硬さの目安は、軟らかい豆腐や白身魚です。指で軽く押すと形が崩れる硬さです。歯茎でつぶせる硬さの目安は、よく煮込んだ人参や生のバナナです。フォークやスプーンで容易につぶせる硬さです。

7~8ヶ月の頃は水分の少ない食べ物は上手に食べれなかったり、あまり好まなかったりします。はじめのうちは、とろみをつけてあげるとよいと思います。あんかけを作るように、片栗粉などを水分と混ぜてとろみをつけることもできますが、ご飯、麺、パスタ、じゃがいも、豆、さつま芋、かぼちゃ、人参などを軟らかく煮たり、つぶしたりすると自然にとろみがつきます。

12ヶ月

右は12ヶ月の娘、左は2歳の息子の食事。娘はまだ歯が無かったので、インゲン豆は炒めた後に少し煮たもの、皮付きローストポテトは無し。肉の代わりに軟らかい白豆がパスタの具です。

歯茎でつぶせる硬さのものが食べれるようになった後は、どんどん色々なものが食べれるようになります。このくらいの時期くらいから、できるだけ親と同じ食事に近づけるようにするとよいと思います。

穀類や野菜は、大人の分から取り分けて、水分を加えて調理して軟らかくすれば、ほとんど何でも食べれるようになります。肉は軟らかくても食べにくそうなので、歯が生えて上手に噛めるようになるまでは、刻んであげるとよいと思います。たんぱく質源として、魚、豆腐、軟らかい豆もおすすめです。

大人の食事のとりわけは、味付けや栄養バランスがベビーにはよくない・・・と気にする人がいるようですが、1歳半~2歳くらいになれば、ほぼ親と同じを食事をするわけで、親の食事の味が濃いとか、栄養バランスが悪いと思えば、子供の食事ではなくて、親の食事を見直す必要があります。


離乳食の安全性・窒息の危険

離乳食の硬さはあまり神経質にならないでいい・・・と書きましたが、一つとても重要なことがあります。食べ物の塊が大きすぎて窒息する可能性があるか、そうではないかという事です。以下の点だけには十分に注意しましょう。

鹿児島県指宿市の子育て支援情報サイトのウェブサイトより抜粋

重篤な窒息事故につながる食品のリスク要因
  • 直径が1~5cm程度
  • 噛み切りにくい
  • 口腔内をすべりやすい
  • 一口サイズで吸い込んで食べるような構造

離乳食の量

ベビーによって食べる量が違うから心配しないでいい・・・と言われてもやっぱり気になるのが、離乳食のトータル量。日本人の食事摂取基準によると、6~11ヶ月のベビーは600~700カロリー必要だとされています。参考までに1~2歳は900~950カロリーです。

かなり大雑把ですが、離乳食中期は大人の1/3程度のカロリー、12カ月以降は大人の半分程度のカロリーが目安になります。母乳・ミルクを飲む量によっても異なってきますが、離乳食中期は大人の食べる量の1/3~1/4 + 母乳・ミルクを目安にしてもよいかと思います。


ベビーの食べ物の好み

この時期のベビーは味覚に対しては、割と寛容でなんでも食べてくれる傾向が見られます。離乳食をあまり食べてくれないときは、食べ物の硬さが好みではなかったり、あまりお腹が空いていないことなどが考えられます。あとは、好奇心や興味があまりないということもあると思います。

あまり食べないと、「もっと軟らかいほうがいいのかな・・・」と思いがちですが、もっと硬いものを好むこともあるようです。色々な硬さを試してみるのがよいかもしれません。あまりお腹が空いてない時は、母乳・ミルクをあげるタイミングを工夫してみましょう。ベビーの食べる量には差があります。もしあまり食べなくても、大丈夫な場合が多いようですが、心配な場合は専門家に相談して下さい。

離乳食中期は割となんでも食べてくれますが、成長につれて味の好みが1歳ころから出てきます。急に食べなくなった・・・と心配しがちですが、ベビーが成長して、色々なことを認識できるようになっている証拠でもあります。

その他に知っておきたいこと

  • はちみつは乳児ボツリヌス症を予防するため満1歳まで使わない。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます