マーケティングとは信用を積み重ねていくプロセス。
不祥事の際の誠実な対応がその後の成否を分ける。 |
ただ、本来はあってはならないことですが、企業は事情によって顧客を裏切る行為を犯してしまうこともあるかもしれません。顧客への裏切り行為は俗にいう不祥事となりますが、この不祥事が発覚した時に、マーケティング=顧客の信頼という観点に立てば、最初から隠すことなく全てを洗いざらい打ち明ける必要があります。一度の過ちであれば、まだ顧客が許してくれる可能性はありますが、小出しに不祥事が二度、三度発覚するようなことになれば、顧客が『まだ何か隠しているのではないか?』と、心の底から疑い始めます。
また、不祥事が起こった際は、関わった経営陣全てが責任を取って辞任し、信頼を回復するのに相応しい新たなトップを迎えて、再出発することも必要でしょう。
『責任を全うするために経営を引き続き行う』という論理を振りかざして、経営の席に居座る場合もありますが、顧客から見れば不祥事の当事者が権力を握り続ける限りは信頼の回復には程遠くなります。
その点、今回の船場吉兆は不祥事発覚後、社長は交代したけれども、新社長は前社長の夫人であり、関係者間の権力の引き継ぎでは信頼回復への期待は当初より見込み薄だったと言えるのではないでしょうか。
ブランドが崩れ去るのは一瞬!
船場吉兆の社長は廃業の記者会見において「のれんの上にあぐらをかいていた」と反省の弁を述べています。確かに『船場吉兆』という“のれん”があれば、他の料理屋に比べて信頼も厚く商売もしやすいことは確かでしょう。ただ、のれん=ブランドを掲げるからには、その品質を保つ責任があり、ブランドの信頼を傷つけまいと常に品質を向上させる努力を怠ってはいけないのです。ブランドは築き上げるまでには大変な時間がかかりますが、崩れるのは一瞬です。“ビジネスは信用を失えばたとえブランド企業でも一瞬でその存在さえも危ぶまれる”という事実はこれまで不祥事の対応を誤って廃業となった数々の企業を見れば明らかです。
マーケティングとは顧客との信頼を深めていくことという認識を持ち、顧客を裏切らないことがベストですが、たとえ一度過ちを犯したとしても、その際に全てを洗いざらい明らかにして、二度と再発させないという意気込みを行動で示せば、すぐにとまではいかなくてもいずれは信頼を回復させて、再建を果たすことも可能になるのではないでしょうか。
【参照サイト】
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