定番に自分なりのひと工夫
オン・ザ・ロックやハイボール、水割りなどその時の気分でさまざまに愉しんでいただきたい |
さてバーではステアアップというやり方でウイスキーを愉しむ人が意外といらっしゃる。女性にも多い。カクテルのミキシンググラスに氷とウイスキーを入れ、よくステアしてもらった後、冷えたウイスキーだけをグラスに注いでもらう。氷はなし。ウイスキーシェークとはまた異なる味わい。
ウイスキー&ソーダ、ハイボールとなると自分なりのスタイルを持つ人が多い。
氷の有り無し。レモンの有り無し。グラスの縁にレモンを擦るとか、しないとか。ソーダを注いだらマドラーで2回転とか、いやかき回さないでとか。
バーボン&ソーダに割とこだわり派が多くて、この間は氷の下にレモンスライスを敷き、ソーダを入れたらかき回さないで、レモンピールをグラスから20センチほど離れた上45度くらいの角度から擦って(絞る)欲しいという人に出会った。この人なんか「バーボン&ソーダはこれじゃなきゃいかん」といった信念があって好感が持てた。
試さないで欲しい飲み方
タイトルは「新しい飲み方提案」であるが、実は皆さんに自分なりの飲み方を探って欲しいというのが本音。シングルモルトはテイスティンググラスだ、という人に最近出会ってわたしはガクガク、ガチョーンとショックを受けた。そんなことはない。はじめてのウイスキーならともかく、飲み慣れたウイスキーならば自分の好きなグラス、飲み方で愉しめばいい。いつも言うことだが、酒の世界を狭めないでいただきたい。
そしてウイスキー入門者にはウイスキー&ソーダ、いわゆるハイボールをすすめる。もしバーにいったならばひと口ふた口はストレートで、そのウイスキーの生(き)の味わいを知ってからハイボールにつくり直してもらって欲しい。
では最後にこれは試しちゃいけないよ、という飲み方を言っておく。わたしが25歳から26歳の2年間くらい、風呂上がりに習慣化してしまった、いけない飲み方だ。それはウイスキーのビール割り。
なんであんな飲み方をしてたんだろうと思う。まだ駆け出しで、いいコピーが書けなくて苛立ってたんだろうな。自分に自信がなくて、やけっぱちでゴクゴク飲んでたんじゃなかろうか。そんなにおいしいもんじゃないから、皆さんは真似しないように。
前回記事「31回 クリスマス、バーでの美しい飲み方」もご一読いただきたい。
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