テイスティング方法はこうだ

山崎18年とテイスティンググラス(撮影/川田雅宏)
山崎18年とテイスティンググラス(撮影/川田雅宏)
前回の記事で、ルールなんてない、と書いた。すると、テイスティングって言葉を良く聞くが、特別なやり方があるのか、という質問を受けた。そんなの気にしないで好きなように飲んで感じて欲しいのだが、知りたい人がいるならば伝えなければならない。

ごく一般的なテイスティングの方法はこうだ。新製品やはじめて口にするウイスキーの場合、このやり方を試してみてはどうだろうか。
まずグラス。テイスティンググラスがない場合は、グラス上部がすぼまった小ぶりのワイングラスを用意しよう。
さてウイスキーをグラスに注ぐ。量はグラスの1/4以下に収める。この意味は後にわかる。最初に色を確認。鑑定家は色で樽材、熟成年数、グラスの内壁を垂れるレッグ(脚)から粘度を読む。次にノージング。鼻で香りを嗅ぐ。はじめの香り立ちをトップノートという。ストレートだから、気合いを込めて、強くノージングしないように。

時間経過で変わる香味を愉しむ

サントリーチーフブレンダー輿水精一氏
ノージングするサントリーチーフブレンダー輿水精一氏(撮影/川田雅宏)
で、さあ飲むぞ、でもいい。実はわたしはここでチョロッと啜っちゃう。でもあなた方は我慢して、ウイスキーと等量のミネラルウォーターを加える。1対1(シングルカスクの場合は1対2)にするとアルコール分は約20%程度になる。アルコールの刺激が弱まるだけでなく、ストレートに比べ、香り立ちがよくなる。
ここで水を加えるからウイスキーの分量を多くしてはいけないのだ。多いと、グラスをまわして香り立ちを確認することができない。またこれ以上薄めないこと。希釈効果で香り立ちが弱まってしまう。
そしてノージング。香りを感じ、その後、さあやっと味わっていただこう。

ここで、味わいを確認するだけでなく、口にして感じる口中香も読み取る。できるだけセクシーに感じていただきたい。口に含んで感じたら、のどごし、そして最後までつづく余韻、後口のキレまで見つめる。
フィニッシュまでの時間経過の中で、さまざまな香味が見え隠れする。それがテイスティングの面白さ。
だがひとつ、お願いがある。どんなウイスキーも愛おしんでテイスティングして欲しい。愛情を注げば、たくさんの香味が見えてくる。そして愛することで、ウイスキーもまた、あなたを愛してくれる。次に飲むとき、心が沈んでいたり、逆に高ぶっていたりした時、かならずや味方になってくれる。

INDEX『飲み方をみつける』を是非ご覧いただきたい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。