バーの格を落とす、悲しい結末
カウンターでのバーテンダーとの波長を大切にしよう |
まず、バーテンダーでなくてもカクテルがわかる人ならば、それがあまり自慢にもならないオリジナルだったという例が多い。スタンダードのちょっとしたアレンジだったり、名前だけ仰々しいものだったり。またカクテルはベースが変われば名が変わるといったものがたくさんあるが、そのなかのあまり知られてないカクテルを勝手に自分で名前を変更して、オリジナルと名乗っていたものまである。
いままでいちばん悲しい思いをしたのは、メーカーのカクテルコンペティションに入賞した他人の作品を自分のオリジナルといって、客に出していたという例がある。これなんかバーの格、バーテンダーの人間性まで落としてしまった。
まあ大したバーではないだろうし、そこに集う客も大した客じゃないってこと。
ホスピタリティが仇となる
何度も言うが、バーテンダーは寛容だ。その名のとおりバーのテンダー。客のために一生懸命対応する。ところが、ホスピタリティが仇となってしまうことがままあるのだ。そんなに飲みたいならつくってあげようと、客に店名と電話番号を聞いて、かけちゃったりするのをみたことがある。電話に出た相手のバーテンダーが口ごもるのでおかしい、と思ったらパクリだったという場面にわたしは出くわした。
オリジナルカクテルが悪い、という訳ではない。バーテンダーがカクテルコンペティションで入賞した作品が人気の店もある。ブランデーやラムに凝っていて、それらをベースにしたカクテル開発に余念のないバーテンダーもいる。ある月はウイスキーベースのオリジナルをサービスする、といった店もある。
そのなかには素晴らしいオリジナルもたくさんある。でもね、それらもやはり、そのバーテンダーにつくってもらうからいいのだ。
前回の記事「29回 バーでのオーダー時の禁句がある」もご一読いただきたい。
またおすすめINDEX「男はよむな!いい女に贈る記事」シリーズもご覧いただきたい。
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