他店のオリジナルは御法度

その店のスタンダードカクテルの味をしっかりと愉しもう
その店のスタンダードカクテルの味をしっかりと愉しもう
前回につづき“男は読むな!”シリーズを書く。「おすすめをください」「おまかせで」のこのふたつの言葉は発してはいけない、と前回は述べた。これは寿司店でも同じことだ。毎朝魚河岸に行き、吟味したネタを仕入れている寿司職人にとってはすべてがオススメなのだから。また寿司店でオマカセってのはよくあるが、マスコミによく取り上げられるような店の場合、酒代は含まず、ひとり15,000円以上は当たり前だ。
さて今回はオーダーしてはいけないカクテルを伝えよう。ただし、常連はゆるされる場合が多いことをご承知おきいただきたい。

はじめてのバー、あるいは常連に達していない場合、他店のオリジナルカクテルのオーダーは絶対してはいけない。こころよく応じたとしても、バーテンダーの胸中は、嫌々であり、バカヤローと思っている。またベテランならば「そういうカクテルは知りません」で片付けしまう。典型的な例を上げる前になぜ駄目なのかを伝えておく。
とくにはじめてのバーでは、まずスタンダードカクテルを飲みなさい。そのバーの味、バーテンダーの味をしっかり味わってあげることが礼儀。いきなり他店のオリジナルカクテルを注文することは失礼、無礼にあたる。
またオリジナルカクテルの名前なんぞ伝えても、他店でわかる訳がない。もしどうしてもそのオリジナルなるものを飲みたかったら、たとえばジントニックやスタンダードものを2杯くらい飲んだあと、おもむろに申し訳なさそうにその名前とレシピをきちんと伝えてつくってもらいなさい。

気まずくなることが多い

では典型例。バーでよくみかける光景だ。
客がカクテル名を伝える。バーテンダーにとっては聞いたこともないようなカクテル。真面目なバーテンダーはカクテルブックを調べたりする。そのうち客がどこどこの店で飲んだと言う。なんだ、それはその店のオリジナルカクテルですね、とバーテンダーは安堵し、「レシピを教えてください。おつくりします」と柔らかく返す。客は「レシピはわかりません」。ドッヒャーでおしまい。バーテンダーは苦笑しながらも、なんだこの野郎、と思っている。
次頁では、こうしたやりとりから、とても気まずくなってしまった例を伝えよう。それはどこどこで飲んだという、その他店の評判を落とす結果につながってしまったものだ。
次頁へつづく)