世界と日本の数字は違う
見てわかるように、世界で最も飲まれているシングルモルトはグレンフィディックだが、日本ではザ・マッカランが上位となる。しかもグレンフィディックの2倍の数量だ。マッカランは05年には28,000ケースだったが、1年で6,000もアップしている。おそらく新たに加わったファインオーク・シリーズの人気によるものだと思う。従来のシェリー樽100%と違い、シェリー樽熟成原酒とバーボン樽熟成原酒をヴァッティングしたもので、飲みやすさがある。
アイラモルトの、なかでもラフロイグ・ファンの友人にこのランクを教えたところ、彼はボウモアが上にあることに驚いていた。ファン心理とは面白い。自分が好みのものが1番と考える。でもボウモア、ラフロイグが上位にあるということは、いかにアイラモルト人気が根強いかを物語っている。
左/山崎18年、右/白州18年とも香味バランスは最高で、世界に誇れる品質 |
ニッカは12,000ケースのうち、余市がおそらく10,000ケースを占めていると思われる。いいブランドである。もう少し数字が伸びてほしいと願う。
元気がいいのは私が見守りつづけている白州。2007年は8,000ケースを超えるはずだ。年々人気が高まっている。まだまだよくなるブランドといえる。いまだにハクシュウと読んでもらえず、シラス?と口にする人もいるが、昔の笑い話になる日は近い。
11位からの数字には大差
11位からのランクが気になる人もいらっしゃるはず。11位は6,000ケースのトマーティンだが、12位以下はガクンと数字が下がる。ダルモア、ハイランドパーク、グレンロセスなどがつづくのだが、なんと2,000ケース、そして1,000ケース代となる。格差はあまりにも大きい。
グレンロセスは私なんぞ、ソーダ割でグビグビ飲む夜があるが、きっと私の貢献度は高いはずだ。こんなことを感じながら飲むと愛おしさがます。これも呑んべぇの愉しみ方のひとつだろう。
1位の山崎や元気が良くなってきた10位の白州なども、私の場合天の邪鬼かもしれない。ふたつとも売れ筋は12年である。だが人気の12年を飲むことはあまり多くない。2万円と金はかかるが、山崎18年、白州18年を無理して買っている。これらは深夜、仕事を終えた時に、しみじみとゆっくり味わう。で、何もない夜は白州10年をソーダで割って、つまりハイボールでグビグビやる。12年は料理店で、数人で食事しながら飲む場合、ボトルでオーダーすることがある。
まあ、人それぞれ、ということ。読者の中で、元気と金がある方に提案したい。この年末、ベスト10を全部飲んでみてはどうだろう。それぞれの香味の違い、シングルモルトの飲み比べの面白味を再認識できる。シングルモルト入門者はベスト10のいくつかのブランドを記憶して、まずバーで3つぐらいを試してみてはいかがか。
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