“ライウイスキーはスパイシー”の通説を超越
ハイボールがおすすめ
一般的にライウイスキーといえばスパイシー、というイメージが強い。アメリカンウイスキーのバーボンにおいても、主原料のトウモロコシだけでは穏やかな風味に落ち着いてしまうところを、ライ麦を加えることでスパイシーなアクセントを生んでいる。こうした香味特性がライウイスキーのイメージを決定づけているといえよう。
しかしながらアルバータ蒸溜所から誕生する香味はあくまでメローで、スパイス的な感覚はしなやかなそよ風のように穏やかだ。100％ライウイスキーでありながら強烈なライの主張を感じさせることなくスムースに口中を滑っていく。
このようにスパイシーさが巧く抑えられてしなやかな甘みを抱いている理由にはふたつある。
ひとつは、つくり込みやブレンドに見られるクラフトマンシップ。洗練された煌めくような香味のライウイスキーを創造しつづけようとする頑なまでもの信念である。もうひとつはカルガリー特有のロケーションである。カナディアンロッキーを臨む標高の高さと自然豊かな清々しく爽やかな熟成環境が、スムースでメローな風味を育むといわれている。
「Alberta Premium」
750ml／40%／￥1,800(税別)
●カナダの至宝とまで謳われるスムースなシングルライウイスキー
●100％ライ・フレーバリングウイスキーと100％ライ・ベースウイスキーをブレンド
●複雑味がありながら軽快で煌めくようなしなやかさ
●バニラの甘さにフルーティーさもそよぐ
●ほのかなスパイシーさとオークの樽香
Rich & Mellow
穀類原料100%ライ麦のウイスキーは、現在カナダでは「アルバータ プレミアム」だけであり、一般的な、ライ麦を高比率で使用したライウイスキーとは異なる。
口当たりはスムースで、複雑味のあるリッチな香味を抱きながらメローな心地よさで魅了する。ライ麦由来のコクをほどよく抑えたライトタイプ。
色／明るい黄金色
香り／バニラ、フルーツ、オークの樽香
味／なめらか、バニラ、スパイシー
フィニッシュ／若干の甘さとスパシーな余韻
ボディ／ライトボディ
飲み方はハイボールがおすすめ。マンハッタンやオールドファッションド、ミントジュレップなどのスタンダードカクテルのベースとしても活躍する。カナダでは「アルバータ プレミアム」ベースのオールドファッションドが人気である。
次回はアルバータ蒸溜所が生むユニークな別製品を紹介する。またカナディアンウイスキーの現在に至る歴史をつくったといえる「カナディアンクラブ」の記事(下記関連記事を参照)もお読みいただきたい。(ボトル撮影／小寺浩之)
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