スタースペシャルとスター

C.C.単式蒸溜器

C.C.単式蒸溜器

前回記事『カナディアンクラブ/軽快なリフレッシュウイスキー』において、カナディアンウイスキーにはフレーバリングウイスキーとベースウイスキーの2タイプがあると述べた。
世界で愛されている「カナディアンクラブ」(以下C.C.)は、フレーバリングウイスキーのつくり分けをおこなっていることで知られる。
C.C.のフレーバリングウイスキーはライ麦、トウモロコシ、ライ麦麦芽、大麦麦芽を原料に連続式蒸溜機で蒸溜後、さらに単式蒸溜器で蒸溜する“スタースペシャル”(Star Special)、ライ麦、ライ麦麦芽、大麦麦芽を原料に1塔式連続式蒸溜機で蒸溜する“スター”と呼ぶフレーバリングウイスキーを多彩につくり分けている。
“スタースペシャル”は複雑で濃厚な味わい。“スター”はリッチで果実のような味わいが特長だ。
そしてベースウイスキー。主にトウモロコシを原料に連続式蒸溜機で蒸溜。ライトでクセがなく、スムースでマイルドな味わいである。

そしてつぎにプレ・ブレンディングをおこなうのもC.C.の大きな特長だ。カナディアンに限らず、通常ブレンドといえば、樽熟後に個性あふれる原酒たちを吟味してそのブランドの香味につくりあげる。
ところがC.Cは樽詰め前に多彩な個性のフレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドし、そして樽熟成させる。

プレ・ブレンディングとヒーテッドウェアハウス

C.C.連続式蒸溜機

C.C.連続式蒸溜機

前と後か、どちらが最良なのか、さまざまに論じることができるだろう。しかしながらC.C.は独自の蒸溜によるつくり分けやプレ・ブレンディングで世界に愛されつづけていることは確かだ。このシステムだからこそあの軽快でスムース&マイルドなテイストを生んでいると言えるのではなかろうか。飲み手をリフレッシュさせるようなしなやかな味わいが変わることはない。
鍋料理ですべての食材を別々に煮込んでから、最後に合わせたら美味しいのか、と問われているような気がする。C.C.においてはプレ・ブレンディングが最善なのである。これは他のカナディアンウイスキーもおこなってはいない。

ヒーテッドウェアハウス

ヒーテッドウェアハウス

最後に熟成。対岸はデトロイトで、アメリカ国境は目の前というオンタリオ州ウィンザーに蒸溜所はある。五大湖という自然環境、とくに冬は厳寒である。
C.C.の貯蔵庫は万全の温度管理によって通年温度は18~19度に保たれ、冬の零下でも熟成が進むよう徹底されている。この暖房設備のある貯蔵庫、ヒーテッドウェアハウスもカナディアンウイスキーにおいてC.C.が唯一である。

駆け足でC.C.独自の製法を述べた。次回はC.C.の美味しい飲み方を紹介する。

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