税金を取り戻す「還付申告」は3月15日を過ぎてもOK
確定申告期間というと、原則は2月16日から3月15日まで。3月15日までに申告書を提出しないとダメなのかと思いがちですが、実はそうではありません。確定申告の義務がない給与所得者、つまり年末調整を受けた会社員やパート・アルバイトの人が還付申告(払い過ぎた税金を取り戻すための確定申告)をする場合なら、3月15日という期日にこだわらなくてもよいのです。還付申告ができるのはこんな人
会社員の還付申告というと、たとえば次のようなケースが挙げられます。- 医療費控除:1年間の医療費が10万円超(例外あり)かかった場合やセルフメディケーション税制の適用を受ける場合
- 住宅ローン控除:住宅ローンを組んで家を買った
- ふるさと納税などの寄附金控除:自治体や特定の団体に寄附をした(※)
- 雑損控除:盗難や自然災害などに遭った
- 生命保険料控除:年末調整で申請し忘れた場合
また、次のようなケースも、還付申告でお金が戻る可能性大です。 過去の行動を振り返って、税金を取り戻せるものがないか検討してみましょう。
【詳細】サラリーマンでもこんな時、確定申告が必要
(※)平成27年4月からふるさと納税ワンストップ特例制度が始まり、条件を満たせば確定申告不要で節税メリットを受けられるようになりました。ただし、医療費控除など新たに申請したい所得控除がある場合は、いずれにせよ確定申告が必要です。
還付申告には5年間の猶予がある
還付申告は、還付申告したい年の翌年1月1日から5年間行うことができます。たとえば昨年2022年(令和4年)分の還付申告なら、翌年つまり2023年(令和5年)1月1日から2027年(令和9年)12月31日まで提出可能です。見方を変えると、過去の年分もさかのぼって申告できることになります。たとえば2018年(平成30年)分の還付申告は、今年つまり2023年(令和5年)12月31日まで提出することができるのです。
過去5年間で次のような出来事があったら、還付申告してみることをおすすめします。
- 出産や入院・手術をして医療費がかかった年があった
- 配偶者の収入が減って配偶者控除を受けられそうな年があった
- 過去の生命保険料控除のハガキが後から出てきた
ただし、その年分の確定申告書を1回でも提出していると、手続きが少々厄介です。具体的には「更正の請求」をすることになります。
申告納税の場合は3月15日を厳守
そもそも確定申告には、還付申告だけでなく申告納税というものもあります。こちらは主に次のような人が対象です。- 個人事業主
- 年収2000万円超の給与所得者(年末調整の対象外であるため)
- バイトの掛け持ちなど、2カ所以上の勤務先から給与をもらっている人
- 副業による給与収入や雑所得が20万円超の給与所得者
申告納税はその名の通り、1年間の所得を「申告」し、所得税が発生したら「納税」するためのもの。3月15日という期限を厳密に守らなければいけません。期限を過ぎると無申告加算税などのペナルティがありますのでご注意を。
【詳細】確定申告で3月15日を過ぎてもいいもの・いけないもの
監修/坂口 猛(All About税金・相続税ガイド)
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