ふるさと納税のオトクは確定申告をしないと受けられない!

ふるさと納税とは、これまで“とられる”イメージが強かった税金を“選んで納める”という形にしたもの。「納税」と付いているためわかりにくいのですが、手続きとしては「寄附金分の控除」となり、“自治体を選んで税金を納める”のではなく“住所地以外の自治体に寄附した金額を、本来納めるべき税額から引いてもらう”ことになります。

ですから、確定申告をして住所地以外の自治体に支払っていることを税務署や市区町村に申告しなくては、還付を受けることはできません

ふるさと納税の申告だけなら、申告書は10分で書ける

会社員で、生命保険料控除住宅ローン控除年末調整で済ませ、その後、家族が増えるなどの変更がない人なら、申告書の作成はシンプルで簡単。一度やってみると「こんな簡単なことをしないで税金の還付を受けていなかったなんて!」と悔やむはずです。

※平成27年4月から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」がスタート。条件を満たせば、確定申告不要で節税メリットを受けられるようになりました(詳しくは後述)。

ふるさと納税の申告に必要な書類はコレ

スムーズに作成するためには、まず必要なものをすべてそろえることからスタートします。必要なものは次のとおりです。

確定申告書A
→国税庁のウェブサイトのほか、最寄りの税務署でも入手可能(リンク先の記事で書式をダウンロードできます)。
源泉徴収票
→勤務先から交付されるもの
□ふるさと納税の受領証明書
→寄附先の自治体が発行したもの
□個人番号カードや通知カードなど、自分と扶養親族のマイナンバーがわかるもの
□本人確認書類
□還付金を受け取る銀行口座がわかるもの

□印鑑
□電卓

平成28年分の確定申告で最も注意が必要なのは、マイナンバーの記入が必要になったこと。扶養親族の分も含めて、間違いのないよう気をつけましょう。

以下、手書きで申告書を作成する手順を紹介します。

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは質問に沿って必要事項を入力していけば、あとは印刷するだけの状態の申告書が完成します。パソコンで作業を済ませたい方はこちらの方法も検討してみてください。

ふるさと納税の確定申告書は第二表から書き始める

必要なものが揃ったら、早速、作成を始めましょう。まずは源泉徴収票を見ながら「控」の用紙へ下書きをします。

源泉徴収票の例

源泉徴収票の例



申告書Aには第一表と第二表があります。第一表から書き始めると思いがちですが、第二表は内訳を記載し、第一表で集計という形式になっているので、第二表から書き始めるほうがスムーズです。

※以下、【1】~【13】は記入例の赤い数字と対応、()内の数字は用紙の記入欄の丸囲み数字と対応しています。
確定申告書Aundefined第二表の書き方例

確定申告書A 第二表の書き方例


【1】源泉徴収票の「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」を、申告書内の同色の部分へ転記する(第一表、第二表ともに)。

【2】本来は保険料や扶養控除の内容について記す欄だが、年末調整が済んでいる場合は記入不要。

【3】16歳未満の扶養親族は控除対象ではないが、住民税に影響する場合があるので対象者がいる場合は記入する。

【4】自治体が発行した「受領証明書」をみながら、寄附先の名称、所在地、寄附額を記入。

【5】「寄附金税額控除」欄の上段「都道府県、市区町村分」へ(4)の金額を転記する。
所得税の速算表

所得税の速算表



【6】所得税からのふるさと納税分の控除額を記入。「ふるさと納税額」と「所得金額の合計(第一表(5)の金額)×40%」の少ない方の金額-2000円。この場合は3万円<426万円×40%=170.4万円だから、3万円-2000円=2万8000円。

【7】(16)と(19)を足して所得から差し引く金額を合計する。

【8】所得金額(5)から所得から差し引く金額(20)を引いて、課税される所得金額を計算する。



【9】所得税額を速算表(画像参照)にしたがって計算する。この場合は、246万3000円×10%-9万7500円=14万8800円。

【10】復興特別所得税額=所得税額×2.1%を計算する。この場合は14万8800円×2.1%=3124円。1円未満は切り捨て。

【11】基準所得税額(34)と復興特別所得税(35)を合計し、納付する所得税額を計算する。この場合は14万8800円+3124円=15万1924円。

【12】源泉徴収税額(38)から納付する所得税額(36)を引いた金額が、還付される税金。この場合は15万4700円-15万1924円=2776円。

【13】還付金を振り込んでもらう銀行などの情報を記入する。

確定申告書Aundefined第一表の書き方例

確定申告書A 第一表の書き方例



記入が終わったら提出用の用紙に清書をし、控えは自分の記録として数年間は保存しておくといいでしょう。

ふるさと納税は住民税からの控除が大きい

申告書の作成が終わると「2776円しか戻ってこないの?」と思う人も多いでしょう。そうなんです。ふるさと納税は地方自治体への寄附で、住民税の一部を移転するというのが基本的な考え方です。

所得税の精算を行う確定申告では、大きなメリットがないように見えます。しかし、6月頃の給与に同封される『住民税決定通知書』にある都道府県民税と市区町村民税の税額控除額を見ると、住民税が減額されていることがわかりますよ。

2015年4月からはワンストップ特例でより手続きが簡単に

これまで確定申告が面倒で「ふるさと納税」を敬遠していた人に朗報です! 平成27年4月1日以降に行ったふるさと納税は「ワンストップ特例制度」によって、寄附先が5カ所以内などの条件を満たせば、確定申告不要で控除を受けられるようになりました。これなら、ズボラさんでも確実に税金の還付を受けられますね。

【参考】ふるさと納税ワンストップ特例申請書の書き方・記入例

もうひとつ、控除の限度額も平成27年度から2倍になっています。ふるさと納税の控除限度額は、これまで個人住民税所得割額の1割でしたが、平成27年4月以降は2割にアップしました。

どういうことかというと、たとえば年収300万円の独身者の場合、控除額の上限は1万6000円(総務省が公表するめやす)。これ以上の金額を寄附しても、控除を受けることはできませんでした。しかし2015年度からは、この金額が2倍に。お得なふるさと納税探しに、ますます力が入りそうです。

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